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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

探偵の眼・御影解宗の推理 【嘆きの双子】18

   

 1972年…夏、長野県のとある病院で産声をあげた一人の男の子。
 その誕生は大いに祝福され、未来永劫その家系の実権をにぎり、世の中を変えていくであろう王子が生まれた。

 その名をキョウスケ。父親が名づけた。
 
 

 二ヶ月後…二人の女の子が一人の母から続けて産まれた。それはまさに王女のような輝かしい乙女の赤子だ。

 その名をミサキとミユキと名づけられた。

 三人の赤子は自ら数奇な人生を歩むことを望むために隠蔽と嘘と卑劣な一族の血を繁栄させることになる。
 
 

 檜の木に黒い墨で“城里家”と掘られ、表札が出ている。

 城里財閥は代々資産家であり、レストラン、ホテル、旅館、ファッション、百貨店への出展、施設など多数の事業を展開している。いまもなお発展途上の日本重鎮たる一族だ。

 城里家の初代が掲げた志ともいえる社訓がある。

“わが社、社訓。「より良いサービスをモットウに、もっともっとの精神で、お客様が満足し微笑んでいただけるよう精進すべし」”。

 後継者も受け継がなければならない。

 現在は若くして子孫がその座に就き、志を受け継いでいる。

 若干16歳で初代からの志を継承されることになった。

 第十五代目頭首、城里 京介(しろざと きょうすけ)が就任した。

 スリムな体型でスラリとしている。足が長く、どんな洋服でも決まって着こなす。指は細く長く骨ばっている印象だが、けっして病的にはみえない。健康そのものの指先だ。まるで人間そのものの能力や品性や金銭的なもので、その人間を見下すとき人さし指が地をおろす様を描くためにその指は造られたように美しい。

 後継者は容姿端麗で成績も優秀。モテないわけがない。放っておいても女からいいよってくるのは間違いない。だが、許婚のような存在がいた。親が決めた相手がいる。

 京介にも選ぶ権利があるが、まんざら拒むことはしなかった。幼少のころから“きょうだい”のように育ったからとうぜん将来はそうなるだろうと幼い子供でも感じとっていた。いや、望んでいた。

 京介の許婚は幼なじみの双子、ミサキとミユキだった。

 二人の女が京介を愛してしまう。幼なじみで家族ぐるみの付き合いのある染野一族の双子娘だ。

 美咲、美幸。100パーセント同じDNAで構成された二人。鏡に映したようにふたつの存在が周囲を驚かせる。そのせいで心までも同じ。生涯に同じ一人の男を愛するのだ。それが京介だった。

 京介も双子の美咲、美幸が好きだった。二人を嫁にすることはできない。日本の法律が邪魔をしている。揺るぎないその法律に打ち勝つために京介はあることを思いついた。

 

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