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SF・ファンタジー・ホラー

アストラジルド~亡国を継ぐ者~アグランド編 第35話「動き出した時」

   

シエロからシアンの秘密を聞いたエリザ。

「体の成長が止まった……!?」

『アストラジルド~亡国を継ぐ者~アグランド編』
【毎週更新】

第35話「動き出した時」

 

 

***

 その日の夜、私は師匠に話があると言われて、彼に呼ばれた。
 わざわざ皆が寝静まった時間を選んだのだ。『他言無用』の話だと思っていいだろう。

「師匠、お待たせしました」
「悪いなぁ。眠いだろ?」
「いいえ、大丈夫ですよ。私の部屋で話しますか?」
「おお」

 皆を起こさないように忍び足で隣の建物へ移動する。とは言っても、扉を一つ開けば私の部屋に繋がっているのだが。

「こんな感じだったか? この部屋」
「ええ。家具の位置は変えてませんから」

 カーテンを開けると、月明かりがゆっくりと部屋の中を照らしていった。どことなく青みがかった空間で、私はベッドに腰を下ろす。師匠は私の用意した椅子に座り、窓を見つめた。
 何だか、彼とこうして二人きりで話すのは随分と久し振りのような気がする。

「師匠……それで、ご用件は?」

 沈黙に耐えきれず私が尋ねると、彼は私に視線を向け、眉を寄せた。あまりにも厳しい顔つきに戸惑う。

「さっき、シアンにも話したんだがな……――――いや、あいつには
「え……? それは……どういう……」
「これも導きか」

 そう言うと、師匠は瞳を伏せてしまった。

 彼が私に話そうとしていることが、シアンと関係があるのなら、内容は恐らく、今朝の件だろう。あのシアンの発言には、私も疑問に思うことが幾つかあった。

 シアン・ローレンという青年は、私が思っている以上に謎が多い。

「師匠は一体、何を隠しているんですか? シアンは……ですか」

 私がそう言うと、師匠は顔を上げた。そして、小さく笑った。

「……あいつは……シアンは、段々と人間ではなくなっていっているんだ
「!」

 彼の言葉が一瞬理解出来ず、固まった。
 師匠が私に向かって言うことは、いつも突拍子がなく、現実味がない。だが、

 ――――人間ではなくなっていっている。それなら、シアンは一体何者なのだ。彼は、どうなってしまうのだろう。

 戸惑う私に構わず、師匠は言葉を続けた。
 

 

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