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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

探偵の眼・御影解宗の推理 【嘆きの双子】19

   

 京介は頭を指先で支えるようにして左右に少し揺すった。

「よく調べたものだ。感心しますよ。まちがいなくそれは事実だ」

 京介は認めた。美咲も過去のできごとを思い出したのか目頭が熱くなっているように顔を伏せていた。

 京介のむかしをなつかしむような温かみのある笑みを吹き消す。

「なにがおかしい?」

 御影は嘲笑するように噴出した。「滑稽なことだと思いまして」

 京介と美咲は思い出を揶揄されたばかりか、音信不通の美幸のことまでバカにされてこれで怒らないわけにはいかない。

 双子の息子と娘たちは黙っていた。見たことないからだ。

「それがなにか事件に関わるようなことですか、ただの若かりし時代の三角関係にすぎない。犯罪めいた話しなどひとつとしてない。美幸が行方不明になったのは事実だし、我々としては捜索をあきらめています。本人がおそらくもどってきたくないのでしょうから、こちらも手をひくしかない。いつか、かならず美幸からもどってくると願って──」

 美咲も瞳を見開くような目で、うんうんと首を縦に振った。

「その関係性については特に咎めようというきにもならない。あなたたちの娯楽だ。好きにすればいい。ただ、結果的によくないことをあなたたちはしたんですよ──」

 御影は手のひらをむけて核心を自分の胸にきいてみろという仕草でアピールした。

 それがヒントになって自白するかもしれない。そんな善良な精神はこの二人の豪遊な神経にはないだろう。

 御影は最初から残念でならない。輪都が古我と電話で話したときに感じた金持ちの雰囲気からくる嫌な感じ。まさか、さらにその奥にいる主から放たれ漂う空気を電話口で感じていたのかもしれない。

 

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