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ハートフル

私たちの結婚

   

昭和39年の東京オリンピックとともに生活は大きく変わりました。

私たちが結婚したのは、そんな時代の幕開けである昭和40年です。

今とは違い、お見合い結婚が多く、私と主人もそうでした。

初めてあった時、気難しいと思いましたが、優しい人でした。

話すのも恥ずかしい新婚旅行、小さなアパートで始まった新婚生活、あっという間でした。
今、私は76歳、主人は79歳、幸せです。

今、主人はアルツハイマー病にかかり、何も覚えていませんが、私の心の中にはしっかりと思い出が刻まれています。記憶は本当に大切な宝物です。

結婚して本当によかった・・

 

 
<馴れ初め>
 

昭和40年(1965)、私(小池貴恵)は24歳の時、主人(小池敬一)と結婚しました。恋愛?ははは、何を言っているのよ。お見合いですよ。

当時も、恋愛は憧れでしたが、今とは違って、そんな機会など殆どありませんでした。

その頃は、女性は23~25歳でお嫁に行きましたので、それを過ぎると、会社でも「いつ辞めるの?」などと陰口を叩かれた時代です。

両親は私が23歳になった時から、そうならないようにと区役所の結婚相談所に申し込んでくれました。

申込み用紙に書き込み、それに履歴書、戸籍謄本、写真を付けて出したことを覚えています。

ええ、住民票じゃなくて戸籍謄本です。あの頃はプライバシーだの個人情報だの、そんなことは言いませんでした。祖父母から私の兄弟姉妹まで全て載っている戸籍謄本です。

はい、お見合いをすれば興信所が調査に来ます。

「貴恵ちゃん、結婚するの?興信所が来たから、『素直ないい子よ』って答えておいたから。」

隣近所からこんな風に言われますから、内緒事はできません。それこそ、揉め事なんかあれば、何を言われるか分りません。本当に開けっぴろげでした。

そして3回目に紹介されたのが主人の敬一さんでした。

「ちょっと気難しい人じゃない?」

黒縁のメガネに七三分けの銀行員、27歳で中央大学法学部出身。身長172cmと履歴書に書いてありました。

「貴恵、何を言っているんだ。お前は高校しか出ていないんだぞ。大学卒の銀行員、これ以上の相手は望めないぞ。」

父にピシッと叱られてしまいました。

 

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