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ラブストーリー

渚-nagisa-(5)

   

純也に姉の水森ハルカの事を頼まれたタケルと弘樹。どうすればさりげなくハルカの情報を手に入れる事ができるかと、頭を悩ませていた時、ある男の名前が頭に浮かんだ。

渚高校きっての情報通である榎本義男。彼を利用すれば、たいていの情報は手に入るのだが……。

 

第5話 誤解

 榎本義男。渚高校の中でも、嫌われ者の部類に入るタケルと弘樹の同級生だ。
 高校では新聞部に所属し、毎日面白いネタが転がっていないかを探し回る、まるで飢えたハイエナのような男である。

「義男に頼めば、どんな情報でも仕入れてくれるんじゃないかな?」

 タケルが提案した。

「確かに義男に頼んだら、水森の情報を手に入れる事が出来るかもしれない……。でもそれ以上に、何で水森の事調べてるのか、逆に色々と聞かれそうな気がしないか?」

 弘樹は意外と冷静だった。

 確かに、義男に頼めばどんな情報でも仕入れてきてくれるかもしれない。しかし、それと同時に二人が水森の事を調べていると言う事が、逆に学校中の噂になりかねない。というよりは、確実に学校中の噂になってしまうだろう。

 良いアイデアが浮かんだと思っていたタケルだったが、喜んでいたのはほんのひと時だった。
 二人は再び翌檜の木にもたれかかり、空を眺めながら良い方法がないものかと頭を悩ませていた。すると、突然タケルが急に立ち上がった。

「おっ!何かいい考えが浮かんだのか?」

 弘樹が期待のまなざしで立ち上がったタケルを見上げた。

「いや、ちょっとトイレ……」

 弘樹はがっくりと首をもたげた。

 

-ラブストーリー


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