幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

ラブストーリー

渚-nagisa-(6)

   

弘樹の汚名を晴らすべく、義男の家に乗り込んだタケル。玄関のドアを開けようとしたとき、義男の家から出てきたのは、学校とは全く違う雰囲気をした水森ハルカだった。

 

「ハルカちゃん、どうしたの?」 

 玄関の奥の方から、義男が前にいるハルカの様子を窺っていた。

「別に……何でもないの、それじゃあ私はこれで……おやすみなさい」

 ハルカは義男にそう言うと、玄関先にいたタケルを押しのけるように飛び出し、義男の家を急いで離れた。玄関先で、どんどん離れてゆくハルカをじっと見つめていたタケル。その様子を見ていた義男がポツリと呟いた。

「武藤君……こんな時間に何の用なんだい?」

 タケルよりも一段高い場所にいる義男はタケルを見下ろしながら言った。

「今の、水森ハルカだよね? 何でこんな時間に義男の家に水森がいるんだ?」

 タケルは当初の目的とは全く違った質問を義男に投げかけた。

「聞いてるのは僕の方なんだけどな……まあ、いいや。ハルカちゃんは僕に気があるみたいなんだ……。

 以前から僕の家の周りをウロウロしているのは分かっていたんだけど、最近あまりにもその回数が増えてね。思い切って声をかけてみたんだ。そしたらすんなり家に上がっちゃってさ。これってどう考えても僕に気があるってことだよね? 

 それに彼女、学校にいる時と、僕と会っている時とでは全然雰囲気が違うんだ。君も見ただろう? 学校では不良みたいな感じだけど、うちに来る時には今どきの女の子らしい格好をしている。女の子って、好きな人の前ではふだんの自分を見せるんだね。やっぱり、これって僕に惚れているっていう証拠だろう?」

 

-ラブストーリー