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伝奇時代

生克五霊獣-改-12

   2018年1月16日  

 災難に見舞われているのは、晴明と葛葉だけではなかった。
 恵慈家にも、災いが降りかかろうとしているのであった。

 伝奇時代ストーリー

 

「私のせいで、晴明殿が苦しんでいたとは露知らず。私は、どうすれば許して頂けますでしょうか? ……許してくださらなくても、どうすればその痛みを緩和する事が出来ますか?」
 葛葉には、わからなかった。いくら考えても、答えどころかヒントすら見つからない。
 晴明は、酷く反省した。
「ごめん」
 ただ一言呟くと、逃げるようにその場を後にした。
 情けないのは自分だと、本当は自分が悪いのだと晴明は分かっていた。
 恵慈家の力を持って生まれなかった自分が……けれども、それを受け入れてしまったら、晴明の立場はない。だから、晴明自身ですら、どうしていいかわからないのだ。短くも長い旅路で、葛葉が本当に悪い人間でないのは分かっていた。何処かで、仲直りの切っ掛けすら探していたのに。
 けれど、この旅の目的は葛葉を消すこと。仲直りとは違っていた。
「くそっ!」
 と、惨めな悪態しか出てこない。
 
 

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