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SF・ファンタジー・ホラー

紅蓮の翼 8

   

あんな女を妻とする戒斉を哀れに思う。
しかし、
それよりも、鴬伽を包むのは、怒り。

身を弁えない者への。

そこへよこされた、宴への招待。

何を、企む?

不定期に連載致します。

こちらにて初めての一般作品でございます。
こちらに関しては、
今後、一切の性描写も色恋沙汰もありませんので、あしからず。

 

「何をそんなに怒ることがある……」

 討伐から帰ってきた青嵐は、鴬伽の顔を見てすぐそう言った。

「別に」

 しかし鴬伽はとりつく島もなく、戒斉から謝罪のつもりか贈られた紫紺をラッパ飲みしながらも、眉間に皺を寄せている。

「……別に、という顔ではないがな……」

 苦笑。
 青嵐の顔には呆れがにじみ出ており、鴬伽は青嵐から視線をはずした。

「まぁ、矢萩と美羽のことには礼を言うが、そこまでのいきさつで荷を負ったのはお前の勝手だろう?」

 その声には苦笑以外の何もなかった。

「それに向こうは鴬伽の正体を知らされてはいない」
「いや、あれはあたしの正体を知っていてもさして変わらないと思うぞ」
「さすがにそれはないだろう」
「本当にそう思っているのか?! あれは商いなど知らない女だ。美羽と同じにするのは美羽に申し訳ないが、あれも東の女だろう?! 外のことなど知りはしない」

 歪んだ形で醸造された深窓の令嬢は、やはり歪な自尊心を増殖させて毒を吐くのだ。

 

-SF・ファンタジー・ホラー


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