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tripper!

   

優喜を見舞った紗菜依と洸は、事情の深刻さに驚きつつも無事な姿に安心する。

その夜、洸は優喜に呼び出され・・・・

 

「いわゆる抗争って奴だよ」
 優喜は出来るだけ軽く、明るい調子を作って言った。
「この前祖父さんに呼び出されただろ、それ、相手方との商談だったんだけど。詳しいことは言えないけど、思いっきり決裂したんだよ。利害というより信念っつーのかな、そういう部分でね。そんでまぁ、用心を重ねてって事で休んでんだけど。心配かけて悪かったな」
 淀みない台詞は説得力があった。あったが、どこか上滑りな感じがするのも仕方がないだろう。優喜自身、建前だけで2人を誤魔化せるとは思っていなかった。
「それで、襲われそうになったりとか、あるんだ」
 紗菜依は目を細めて言った。
「じゃなきゃ優喜、学校休んだりしないよね」
「そんな事・・・・」
 無いと言い切る事は出来なかった。
 紗菜依に対して、他の相手に通じる嘘をつくことに躊躇いを感じるようになったのはいつからか。
 魂に刻み込まれていると言っても過言ではない。

 

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