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ラブストーリー

Bitter sweet

   

莉子と穗積の物語。
【エピキュリアン】などの続編です。

子どもの欲求、
大人の理性。

ときには衝突もあるわけで。

零れる涙は、
甘くなったり、苦くなったり。

 

「穗積も、飲む?」

 ざっくりとした裾の長いニットを着て。
 壁にもたれて、首を傾げる莉子の包み込むようにした両手の中には、白いマグカップ。
 ふぅふぅ、と白い湯気を立てるそれを冷まして舌に乗せた甘さは、莉子をしあわせな気持ちにさせた。
 マグカップに注がれているのは、キャラメルマキアート。

「いや。俺はいい」

 辛党の穗積には死んでも飲めないシロモノで、莉子に背を向けたままの穗積は、莉子の声に即答した。
 甘いかおりを立てる液体の上には、生クリームとキャラメルシロップ。
 きっと穗積は、目にしただけで鳥肌を立てるだろう。
 それでも莉子の嗜好にクレームをつけずにいてくれて、穗積のアパートの小さなキッチンには、莉子の好みの飲み物が少しずつ増えていた。

 

-ラブストーリー


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