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現代ドラマ

須磨子 第二話:不倫

   2018年1月29日  

14年振りに金井と再会した須磨子は揺れていた。
電話番号を伝えたものの、架かってなんかこない・・そう思いながらも秘かに期待していた。

果たして・・電話が架かってきた。

「お茶でも飲もう」

夫や娘を裏切る、そんな後ろめたい気持ちを抱きながらも、約束の場所に出掛けた須磨子は彼との密会を重ねていく。

そして、とうとう、一線を越えてしまった・・

 

 
家族
 

須磨子は帰る道すがら、ずっと考えていた。

  やっぱりメモは渡しちゃいけなかった・・

スマホには何もメールは届いていない。

「ママ、お帰りなさい。」

帰宅すると、小学校2年生の娘、明子は既に学校から帰っていた。

「あ、ごめんなさい。ママ、出掛けちゃって。」

須磨子は娘に駆け寄ると、その体を抱き締めた。

「明子ちゃん、大好き・・」
「く、苦しいよ、ママ・・どうしたの?」
「何でもない、何でもない・・」

  この子は宝物よ・・

相手に押し切られたとはいえ、心が揺らいだ自分を恥じ、その頬には涙が一滴流れ落ちていた。

「どうだった?」

その夜、帰宅した夫から美術展のことを聞かれた。

「え、ああ、空いてた。」
「ははは、そうじゃなくて、絵はどうだったかってことだよ。」

そんなことは分かっている。だけど、金井に会ってから、頭の中は彼のことばかり、美術展のことなどどうでもよくなっていた。

「昔の知り合いに会って、話し込んでしまって、気が付いたら、明子が帰ってくる時間、焦っちゃって、よく見れなかったの。残念だったわ。」
「へえ、昔の知り合いって?」
「大学生の時の友だち。」

聞かれればそれだけ後ろめたさが増し、夫の顔をまともに見れなくなる。もうこの話は終わりにしたい。

 

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