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ラブストーリー

渚-nagisa-(18)

   

 香織に続き、妹の優がタケルの家にやってきた。タケルは久しぶりに優と再開できた事を嬉しく思っていたのだが、優は暗い顔をしていたタケルのことが心配でならなかった。
 香織に相談しようと思っていた事だが、優にも意見を聞いて見ようと思い、悩みを告白するのだが……。

 

渚 第18話 相談

 長い黒髪がそよ風に揺れている。目がパッチリとして、どことなく山本亜里沙と雰囲気の似ている優がタケルに向かいながら微笑んでいた。

「優ちゃん、今来たの? 昨日、香織から事情は聞いたけど、優ちゃんの家も毎度ながら大変だね……。大学はもう終わったの?」

 タケルは久しぶりの再開を懐かしむように、優にそう言った。タケルは優とは昔から気が合う。姉の香織は男勝りの女の子であったが、優は物腰が優しく、とてもゆっくりとした口調で話をするので、誰からも好かれるタイプだった。

「講義は午前中で終わったんだけど、色々と寄る所があったから。お姉ちゃん、またタケちゃんの事虐めてるの? 何だか暗い顔をしながら歩いてたみたいだけど……」

 優は優しい口調でタケルにそう尋ねた。

「あ、香織には昨日さんざん虐められたけど、別にそのことで落ち込んでるわけじゃないんだ。俺自身も色々とあってさ。それで香織に相談に乗ってもらおうと思って。あいつ自称恋愛経験豊富だって言ってたし、少しは参考になる意見でも聞けるかなと思って」

 タケルは少し笑顔を取り戻し、優に向かってそう答えた。

「へえ、タケちゃんももうそういうお年頃なんだ。好きな子、出来たんだね。でもお姉ちゃんに相談して、果たして役に立つのかな。余計にこじれそうな気がするんだけど……」

 タケルは優と同じような事を考えていた。優が考えていた事が自分と同じだったので、少し可笑しくなった。

「相談するだけしてみるよ。一応恋愛経験豊富だって言ってるし。まあ、あまり期待はしてないけどね。それより早く家に入ろう。荷物重たそうだから俺がもってやるよ」

 タケルはそう言うと、パンパンに膨れ上がった優の持っていたボストンバッグを肩から提げた。

「わあ、ありがとうタケちゃん。タケちゃんのそういう優しいところ大好き!」

 優はそう言うと、後ろからタケルに抱きついた。と、その時、近くでカシャカシャという何か、機械のようなものが作動した音がした。タケルはその音が気になり、あたりを見回してみたが、これといって特に変わった様子は見られない。タケルは自分の気のせいだと思い、優の荷物を持ち、家の中へと優を連れて入っていった。

 

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