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SF・ファンタジー・ホラー

風車のまちのユートピア<1>

   

山あいの田舎のまちで、アンドロイド製作の権威であるクルシュマン博士が病死した。
博士の家に残されたのは、外見の変化しない青年と少年が一人ずつ。
そこへ、一人の娘が訪れて…。

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ヒトも、ヒトならざる者も、死者も、生者も、めいめい勝手に生と死と愛について呟く、ゆるいSF風味ファンタジー。

 

 晴れた秋の一日(イチジツ)。

 山あいの小さなまちに、弔いの鐘が鳴り響いた。
 鐘の音に送られて、一人の男が埋葬された。
 が、ほんの数人が野辺送りに集まっただけのその葬儀は、まちの人々にとって、少しばかりおかしなものだった。

 というのは、まず一つは、葬儀の施主が、数年前にこのまちに住み着いて以来すがたかたちの変わらぬ青年と少年の二人組だったこと。
 もう一つは、死んだ男が、その二人の『創造主(マスター)』であったと思われること。

 青年の見た目はハタチほど。名は、ルーヘン。
 少年の見た目は十五歳ばかり。名は、ギーナ。

 死んだ男は享年六十一。名は、コルネール・クルシュマン。工学博士で、擬似生命体――俗に言うアンドロイド――の権威だった。
 望めば、それなりの社会的地位を得られるはずの彼が、こんな田舎のまちでひっそりと暮らしていたのは、理由のないことではなかった。……少なくとも、本人にとっては。

 

-SF・ファンタジー・ホラー

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