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マスクエリア 第五覆面特区〜三章 光か影か(4)

   

「学長」ベリコに、非公式の超精鋭だけを集めるSSAクラスで訓練するよう指示を下された清水たち。
格闘技や武道が、ごく当然のごとく街行くあらゆる人たちの中心に存在する、ある意味夢の国のような「シティ」の風景を見ながら指定された地点に向かっていた彼らを、一台の車が呼び止めた。
運転手であり、SSAクラスの師範でもある笹田の案内でSSAクラスの練習拠点に辿りついた清水たちは、いくつもの大きな建物と、最精鋭としてはあまりにも違和感のある少年少女たちを目にすることになるのだった。

 

「これが君達の学生証と、居住寮の案内だ。もちろんこちらでもデータを保管しているが、紛失しないように気をつけてくれるとありがたい。君達が持っているのは、他の学生のそれとは大分機能が違うからね」
 清水の言葉に丁重に礼を述べてから、ベリコは、清水たち一人一人に名刺サイズのカードと、居住区への案内図を手渡した。地図を見る限り、「シティ」の中心部からはかなり離れているようだ。
「結構寂しいところにあるんだな」
「君達は、特別だからね。本校では、『特区』の学校教育の一環として、一年ほどで初段取得を目標にする初心者向けのコースや、教養コース、数年間計画で選手やプロを目指す中級、プロ向けの上級を代表に、数十以上のカリキュラムが用意されているが、君達に受けてもらうのは、各競技のチャンピオンを目標とするSAクラスの更に上、SSAと呼ばれる非公式の少数超精鋭向けの訓練だ。無論、通常レベルとは異なる設備が無数に必要だし、非公式である以上、あまり一般の生徒と接触があるのは好ましくない。だから、こういった配置になっているのだよ」
 清水に向かって、ベリコは丁寧な説明をしてきた。
 賑やかな方が何かと面白いとは言え、一年やそこらで、あの「覆面商事」の連中と互角に戦えるようになるには、確かに徹底的な訓練が必要なのは言うまでもない。清水たちは、学長に一礼して、素直に部屋を後にした。

 

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