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SF・ファンタジー・ホラー

風車のまちのユートピア<2>

   

亡き博士の残した家で、ルーヘンとギーナとアルカディアの暮らしが始まる。博士のこと、博士の妻のこと…、三人は知っていることを少しずつ語る。
そして、ルーヘンが家を空けた際、ギーナはアルカディアに意外なことを言い…。

 

 朝の光の中で、三人での朝食が始まっていた。

「アルカディアがきてくれて、ぼくはすごくうれしいな。しかも、父さんの代わりに一緒に暮らしてくれるなんて……。アルカディアを寄越してくれたオークレール博士は、いい人だね」

 ルーヘンは、アルカディアのカップにたっぷりと温かいミルクをそそぎながら、うれしそうにそう言った。
 ギーナも、パンをちぎりながらほほえんでいる。

「ミルクをどうぞ、アルカディア」
「ありがとう、ルーヘン」

 カップを受け取ったアルカディアの手もとに、ギーナが角砂糖の載った皿を差し出す。

「ありがとう、ギーナ」
「アルカディアも、甘いミルクが好き?」
「ええ」
「父さんがよく、『大人のくせに、リーゼロッテは甘いミルクが好きなんだ』って思い出話をしてたよ。自分は絶対に甘いミルクなんて飲まなかったけどね」
「ママは、今でも甘いミルクが好きよ」
「オークレール博士は、父さんのことを、今でも好き?」
「たぶんね」

 アルカディアの答えに、ルーヘンがうれしそうにつづける。

「好きに決まってるさ。父さんのことが好きだから、父さんの葬式にアルカディアを寄越したんだ。それに、父さんの残したぼくたちのことも心配して、アルカディアを一緒に住まわせてくれるんだから」

 

-SF・ファンタジー・ホラー

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