幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

SF・ファンタジー・ホラー

マスクエリア 第五覆面特区〜三章 光か影か(5)

   

笹田の指示を受け、訓練を開始した清水は、そのあまりの過酷かつ特殊なマシントレーニングに衝撃を受ける。だが、笹田が訓練の過程に用いたあるものの存在が、清水の驚きを激怒に変化させた。
感情の赴くままに、笹田を殴りつける清水。だが、彼の感情を、高倉と、もう一人が抑制し、処置への理解をもたらすのだった。

 

「な、な……」
「驚かれたようですな。しかし、現実です。サラは、生まれつき『強力』の持ち主でして」
 あまりのショックに声も出ない、どころか、清水は腰が抜けてしまいそうになっていた。
 何故、あの高倉があそこまで飛ばされているのか。体格差はあまりにも大きく、清水が知るどんな技巧も、その差を埋めるには至らないだろう。
 まさか、笹田が言うように、純粋なパワーでもって、あの少女が高倉を吹き飛ばしたとでも言うのか。
「流石だね。まあ、大体の予想はしてたけどな。ああ、大丈夫。仕事柄飛ばされるのには慣れているんでね」
 しかし、高倉はさほど驚いた様子すら見せず、目の前の自分よりずっと小さな少女に、親しげな笑みを浮かべている。そして、彼は笑顔のままで、清水に向き直り、
「どうだ、彼女と腕相撲でもしてみるか」
 と、提案したが、清水は首を横に振った。面倒ではなかったが、どうやら「本物」らしい彼女の力を、直接体感したくはなかったのである。
「いや、参った。SSAクラスは伊達じゃないってところか。と、なると、僕らも、ここで訓練すれば彼女のように強くなれるのかな」

 

-SF・ファンタジー・ホラー


コメントを残す

おすすめ作品

アストラジルド~亡国を継ぐ者~カーネット王国編 第10話 今になって目に浮かぶ光景

マスクエリア 第五覆面特区〜序章(2)

幻異綺譚<7> 婬肉寺始末

ウパーディセーサ〈十四〉

cat 〜その想い〜 15