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ラブストーリー

渚-nagisa-(27)

   

義男と五十嵐が何やら企んでいるのではないか、という情報をタケルに提供したタケルのいとこの香織。それを裏付けるように、本部席でコソコソと打ち合わせをしている二人。タケル達はお昼ご飯のお弁当を囲みながら、作戦会議を開いていた。

 

渚 第27話 作戦会議

 午前中の競技が全て終わり、体育祭の時の楽しみの一つである昼食の時間がやってきた。高校生とはいえども、普段より豪勢な弁当を食べることができるこの時間は至福のときである。

 渚高校では、応援に来てくれた家族とともに昼食をとることを学校の方針で決めていたこともあり、グラウンドの周りではレジャーシートの上にバラエティー色豊かなお弁当が広げられていた。

 お弁当を食べている間、タケルの周りはとても賑やかだった。性格が明るい、いとこの香織と優がいたことも理由のひとつだった。

 その周りに弘樹の家族(タケルに特訓をつけた兄の万次郎やその兄の千太郎もいた)がいて、その隣には亜里沙の家族がお弁当を広げていた。

 亜里沙と亜里沙のお母さんがそっくりな事が分かり、タケルは亜里沙が将来こんな感じになるのかなとほほ笑ましくお弁当を食べる親子を眺めていた。

 純也とハルカの両親は離婚しているので、この場にやってくることはなかったが、一緒に食べようというタケルの提案もあり、タケル達の輪の中には二人の姿もあった。

 マイケルを居候させている加納定吉も観戦に来ていた。弘樹の父とは剣道を通じて色々なつながりがあったので、今は一緒に食事をしながら剣道について熱く語り合っていた。

 何もこんなところで剣道談義に花を咲かせなくてもいいではないかと、弘樹は冷めた目をしながら大好物である鳥のから揚げを口へと運んでいた。

 意外だったのは香織と千太郎である。お互い初対面ではあったが、会話が弾んでいるようにタケルの目には映っていた。

 いつものような男っぽい喋り方ではなく、普通の女の子のような口調で話をする香織を見て、タケルは必死で笑いをこらえていた。

 もしもこのままこの二人がいい関係になって付き合うことになっても、そのうち香織が本性を現し、千太郎が尻に敷かれるのが容易に想像できたからである。

 昼食の間も話題は最後の競技であるクラス対抗リレーで、義男がタケルに対して何を仕掛けてくるかに焦点が当てられていた。

 タケル達学生のグループと、その応援に来ていた家族のグループはいつの間にか二手に分かれ、お弁当を食べていた。タケル達は輪になるように座りながらお弁当を片手に話を続けている。

 

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