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ノンジャンル

可視光線 2

   

不定期連載第3弾。

過去。
10代の頃。
変わる前、
変わった後。
その、格差。

 

□■3■□

 夕暮れの教室にひとりいるセーラー服。
 標準の膝丈スカートに足首までの白いソックス。
 黒縁眼鏡で表情を隠したすっぴんの肌。
 長い髪をふたつに束ね三つ編みにしたその姿は今時の女子高生の中に埋没し、空気のように無視される存在。
 決して誰からも注目を浴びることのない存在。
 ぴん、と伸ばした背筋が印象的、なんて思ってしまった自分に驚きを隠せず、朔は自分の中で起きた事態を掻き消すように頭を振った。
 教室の入り口から隠れるようにして、机に腰掛け外を眺めている、名前もよく覚えていない彼女を眺めている自分をストーカーかと苦笑する。
 不意に教室内の静寂を破った電子音に過剰に驚く。

「はい……」

 3コールで応答したのは、彼女。
 携帯なんか持っていなさそうな彼女が取り出したそれに、朔は裏切られたような気がした。

「あぁ。××?」

 確かに彼女は男の名を口にしたと思うが、朔には聞き取れなかった。

 

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