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SF・ファンタジー・ホラー

マスクエリア 第五覆面特区〜三章 光か影か(6)

   

トレーニングを積む決意をした清水たちは、SSAクラスの真髄とも言えるトレーニングマシンの数々を目の当たりにする。それは、単に訓練の効率を上げるという程度のものではなく、スポーツ理論に存在するいくつもの「壁」を、力づくで突破してしまえるほどの威力を持っていた。清水は、「効き過ぎる」ために本土では失敗作と見なされている睡眠時訓練機器に身を委ね、眠りに入るのだった。

 

 訓練初日ということもあったのか、その後の訓練メニューは、各マシンの使い方を学ぶ、オリエンテーションのような感じで進んでいった。
 とは言っても、負荷のかかり方はエアロバイク同様凄まじいものがあり、全ての訓練が終了した頃には、清水たちは汗で濡れたボロ布のような状態になっていた。
 が、笹田は冷静に指示を飛ばす。
「とても動けるような感じじゃないと思っているかも知れませんが、問題ありません。気合いを入れれば簡単に動けるはずです」
 各人の限界ギリギリをマシンが察知し、酸素の供給を減らして、さらに薬理的効果で、通常考えられないレベルの成果を上げるという、超近代トレーニングを科している者とは思えない言葉だった。当然、彼の言葉など信じる気にはなれず、清水は床に倒れ込んだまま、ぜいぜいと息を乱していた。
「ほ、本当だ! 立てる、動ける! 信じられん……こんなに辛いのに」
 半信半疑の面持ちで腰を浮かせた香西が叫んだ。ぴょんぴょんと飛び跳ね、拳法の形を始める香西の動きには活力が満ち溢れており、トレーニング後とすら思えないほどだ。
「精神の疲労は蓄積するからかなりきついが、予め疲労は全部抜けている、だから問題ないんだ」

 

-SF・ファンタジー・ホラー


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