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ラブストーリー

渚-nagisa-(34)

   

義男の策略にはまることを選んだタケル達。義男の別荘へと向かう計画は着々と進んでいた。だが、それと同時に、間近には期末テストが控えている。タケル達は別荘へと向かう前に、テストに向けた勉強会を開いていたのだが……。

 

渚 第34話 勉強会

 義男と和解(?)してから三日後、亜里沙の言う通り、義男がタケルに、自分の別荘へ招待すると言う旨の話を持ちかけてきた。タケルは仲間達と打ち合わせしたとおりに、自分のいとこや弘樹の兄、そして、弘樹が以前、海岸で告白をし、みごとに弘樹を玉砕した柔道部キャプテンの松村裕子を連れて行く(彼女らにはすでに了解を取っている)ことを条件に、義男の誘いに乗ったのだった。

「じゃあ、色々と準備もあるし、1週間後の土曜日、学校の授業が終わったら港に集合と言う事で……。期末試験の直前だけど、みんなが息抜きできればいいなと思って今回、うちの別荘へと招待する事を企画したんだ。今まで色々と迷惑をかけたし、あまり気を使わずに楽しんじゃってよ」

 よくもまあ、こんなにも美辞麗句を並べるなとタケルは内心呆れ返っていたが、ここは適当な返事をしておく方が無難だなと思い、作り笑いをしながら義男の話を聞いていた。

 体育祭が終わってから、生徒達は期末試験へ向けての勉強に本腰を入れていた。

 始業式以来、周りで色々な出来事が起こったタケルと弘樹は、あまり勉強をしていなかったため、期末試験が始まる前からすでに諦めモードだった。だが『そんなに後ろ向きな考えでどうするつもり!』と成績優秀な亜里沙に尻を叩かれ、必死になって勉強をする羽目になってしまった。

 学校が終わり、亜里沙が部活をしている間、放課後の教室ではハルカがタケルと弘樹、そして嫌がる弟の純也も無理やり引っ張り込み、勉強を教えていた。

 亜里沙の部活が終わると、今度は亜里沙の家に集合し、彼女の部屋で勉強会が始まる。純也は何とかして勉強会から逃げ出そうと試みるが、亜里沙の部屋を出て階段を下りたところでは、渚高校の校長である亜里沙の父が、なぜか竹刀を持ったまま”でん”と構え、純也が逃げ出そうとするのを拒んでいた。

 ハルカと亜里沙の教えの甲斐があり、タケルと弘樹、そして嫌々参加させられた純也もそこそこの点数が取れるのではないかというレベルまでになっていた。

 勉強の合間に、みんなで明後日に迫った義男の誘いについての話をしていた。

「義男の家ってどんだけ金持ちなんだ? 別荘がある島って、あの海岸沿いから少し先に見える小さな島だろ? 別荘ばかり建ち並んでる……。あそこって船でしか行くこと出来ないよな。定期船とか出てるわけじゃないし、どうやってあの島まで行くんだ?」

 純也が差し入れに出されたドーナツを頬張りながらみんなに尋ねた。

 

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