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GunDaddy&GunDaughter~ガンダディ&ガンドーター~第1話

   

二十一世紀の半ば。警察力は低下し、治安は悪化の一途を辿っていた。だが、そんな治安の悪化を抑制するシステムが生まれた。
それは非合法の賞金稼ぎ制度というシステムだった。

 

 斗紀桜府(ときおうふ)、経済都市として発展している街。
 観光名所が多く、常に賑わいを見せている。
 しかし一歩でも裏に足を踏み入れれば、銃や麻薬のような非合法品の売買が当たり前のように行われているドス黒い裏の顔を見せる犯罪都市でもあった。
 古の頃から、繁栄と腐敗は親子や恋人のような親密な関係にある。
 犯罪都市かもしれない斗紀桜府だが、住み心地は悪くない。
 昔から言う、住めば都と―――。

 駅前の繁華街から離れた通り―――。
 建物の数も少なく、街灯の数もまばら。
 深夜に近い時間帯ともなれば、ほとんど真っ暗で人通りもない。
 そんな暗い通りに面した場所にある、とある公園。
 マンションの建設が決まり、今では閉鎖されていて関係者以外は入れなくなっている。
 その前に、少女が一人いた。
 年齢は十四歳ぐらいの、ショートヘアで背の低い少女。
 小柄で華奢な体は未成熟で、ジーンズのジャンパーとショートパンツという服装と相まって男の子のように見える。
 少女―――神香音(じん・かのん)はジージャンの下に右手を差し込み、すぐに引き抜く。
 引き抜かれた右手には、少女の細腕には不釣り合いとしか思えないものが握られていた。
 それは、一挺の黒い拳銃。
 強化プラスチックを多用している、.45口径のオートマチック拳銃グロック21。
 ちゃんとした訓練を積めば、腕の細い少女でも反動の強い.45口径の拳銃を撃つことができる。
 撃つだけではなく、標的に当てることも難しくはない。
 公園を囲むフェンスの一部は、ドアのように開く仕組みになっている。
 夜は鎖と南京錠で施錠されているのだが、南京錠は壊れて地面に転がっていた。
 香音はフェンスを開け、グロック21を両手で構えて公園に足を踏み入れる。
 そして足音を立てないように、慎重に歩く。
 公園にあった街灯は、すべて撤去されている。
 公園の外に設置されている街灯の光は僅かしか届いておらず、ほぼ真っ暗だ。
 懐中電灯を持ってきてはいるが、香音は使わない。
 懐中電灯を使ったら、ここにいます、と教えるようなものだ。
 光が届かず、暗くなっている場所まで移動した香音は一度立ち止まり、目が暗さに慣れるのを待ってから再び歩き出した。
 ほとんど真っ暗な状態で微かにしか物が見えないが、問題はない。
 彼女は訓練を積んでいる。暗くても躓いたり、ぶつかったりせずに歩くことができる。
 建設用の資材や作業車が運び込まれているだけで、まだマンションの建設は始まっていない。
 静寂に包まれている公園……実は今、ここには凶悪な強盗が潜んでいた。
 一時間前、コンビニで強盗事件が発生した。
 強盗は拳銃を所持していて、アルバイトの店員が撃たれた。

 

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