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GunDaddy&GunDaughter~ガンダディ&ガンドーター~第3話

   

《拳銃売ります》……そんなサイトがあった。
 香音を何かとライバル視している少女は、彼女を脅すためにそこで拳銃を買うことにした……。

 

 神親子が日本に渡り、斗紀桜府にやって来たのは半年前のこと。
 京一としては、銃とは無関係の生活を送ろうと考えていた。
 が、組織との出会いで考えが変わってしまった。
 銃を捨てようと思っていた。しかし、できなかった。体は常に戦いを求めていて、だから賞金稼ぎになった。
 香音にだけは普通の生活を送らせようと思ったが、
「パパが賞金稼ぎになるのなら、ボクもやる!」
 そう言って聞かなかった。説得はしたが、頑固なところがある香音。
 彼女の思いを折ることはできず、逆に京一が折れてしまった。
 賞金稼ぎは、日本では非合法のものだ。免許制度も、年齢制限もない。
 なので、十四歳になったばかりの香音が賞金稼ぎになることに何ら問題はなかった。

 私立・新星(しんせい)学園。中等部から大学院まである学園。
 香音が通っている中等部と高等部は、二つの川に挟まれた小高い丘の上にあった。
 厳しいトレーニングの賜物(たまもの)で、香音の肉体能力は普通の十四歳女子より高くなっている。
 瞬間的な状況判断能力、空間把握能力も高い。
 小さな体でどんな競技でもこなす香音は、女子からヒーロー扱いされている。
 少年的な顔だが可愛らしさもあるので、女子だけではなく男子からも人気があった。
 頭脳も明晰。英語だけではなくドイツ語とフランス語も理解し、数学も科学も得意。
 ただし海外生活が長かったせいで、漢字の読み書きと日本の地理や歴史は少々苦手。
 それでも、成績は上から数えた方が早い。
 体育会系、文化系問わず様々な部活からスカウトされているが、香音は部活をする気はなかった。
「おい、神(じん)! お前、やっぱり陸上部に入るべきだっ!」
 その日の体育の授業は、陸上五種の個人測定。
 香音は走り幅跳びに五十メートル走その他、すべて好成績であった。
 以前、三千メートル走でも彼女は素晴らしい記録を出したことがある。
 陸上部の顧問をしている体育教師は、彼女をしきりに陸上部に勧誘していた。
 やたらとガッシリした体つきの体育教師は毛深く、まるで熊のようなイメージがある。
 しかも苗字が熊田ときたものだ。生徒たちの間では、小熊などと呼ばれていた。
 背が低いので、成獣の熊には見えない。
 せいぜい生まれてから数カ月の熊……だから小熊というニックネームなのだ。
「お前なら全国大会で優勝することだって可能だ!」
 無意味に熱く、デリカシーがなく、生徒の都合を考えずに授業を進め……そして、自分が格好良く人気があると勘違いしている。そのせいで生徒たちから、あまり好かれていなかった。
 が、彼はそのことに気付いていない。
「今日からでも入部しろ! な、入部するべきだ!」
「あの、先生。前も言いましたけどボク、部活はやる気はないんで」
「何でだ!?」

 

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