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GunDaddy&GunDaughter~ガンダディ&ガンドーター~第4話

   

 香音に魔の手が迫ろうとするが、しかし……。

 

 翌日も体育の授業があった。
 授業内容は、バスケットボール。その試合中で見事な活躍を見せる香音は、突き刺さるような視線を感じていた。
 視線の主は昨日と同じ……麗子であった。
(また睨んでいるよ……うーん、何かしたのかなあボク?)
 何度考えても、香音には麗子に何かをした憶えはなかった。
 それもそうだろう、麗子の一方的な恨みなのだから。
 それから二日間のこと―――放課後、自宅があるマンションまでの道のりで香音は誰かに尾行されているような気がした。
 しかし、後ろを見ても誰もいない。なので気のせいだと思った。
 だがそれは気のせいなどではなかった。
 実際に香音は尾行されていた。
 探偵一筋二十年の、ベテラン探偵の尾行。
 まだ半人前の香音が気付かなくても、それは仕方がないと言えよう。
 その探偵の事務所に、麗子が訪れた。探偵は報告書を彼女に差し出す。
「学園から自宅に帰るまで、彼女は同じコースを歩きます。必ず、学園と自宅マンションの間にあるスーパーに立ち寄るようですな」
 麗子は探偵に多目の報酬を渡し、香音の行動調査を依頼した……というのを忘れるように探偵に告げる。
「それは構いませんよ。そういうことを頼まれるのは、しょっちゅうですからね」
 四十過ぎの口髭と顎髭を生やした背の高い探偵は、報酬の入った封筒を受け取ると、
「はい、これで忘れましたよ」
 と惚(とぼ)けた調子で言う。
 麗子が事務所を後にすると、探偵は「しかし……」と呟きを漏らす。
「あの神香音という少女……普通じゃないな。子供だが、素人じゃない」
 ベテラン探偵だから分かった。
 香音が放っている気配が普通ではないのを。
 その気配は、修羅場を潜り抜けた者だけが放つもの。
「あまり関わらない方が懸命だな」
 わき上がる好奇心を抑え、探偵は麗子に言ったように香音のことを忘れることにした。

 探偵事務所から出て、車の後部シートに乗った麗子は携帯電話を使ってどこかに連絡を入れる。
「私よ。ちょっとお願いがあるの……」
 彼女の顔には、楽しそうな笑みが浮かんでいた。
 それは歪んだ楽しみを抱いている者の笑みだった。

☆☆☆

「いってきまーす!」
「気を付けてな」
 いつもと変わらない朝―――香音は元気に登校する。
 香音を見送った京一がトレーニングをしようとした時、携帯電話が鳴った。
『私よ』
 眠たそうな声……葉子だ。
『例の拳銃を安値で販売している奴……または奴らのことなんだけど、ちょっと難行しているようなの』
 かなり慎重な相手のようで、なかなか尻尾が掴めないらしい。調査には、まだ時間がかかりそうだ……とのこと。
「そうか……まあいいさ。何か分かったら連絡を頼む」
 組織の情報部が難行している案件、それは意外なところで分かることになる。

☆☆☆

 カメラ付き携帯電話で盗み撮りした香音の姿。それをプリントアウトしたものを、麗子は男に渡す。

 

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