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GunDaddy&GunDaughter~ガンダディ&ガンドーター~第5話

   

 京一は大男たちから、なぜ香音を襲ったのかを聞き出す。
 その聞き出す方法とは……。

 

 けたたましい音を立てて黒いNSXが廃アパートの前に停まる。
 エンジンを停止させるのももどかしく、運転席から飛び出た京一は廃アパートの一室に飛び込んだ。
「香音っ!」
「あ、パパ」
 京一は香音の前に立つと上から下まで確かめる。
 どこも怪我をしていないようなのでホッと安堵の息を漏らす。
「怪我はしていないようだな」
「平気だよ。全員、素人だったから。もしプロの拳銃使いだったら、やばかったけど」
 さすがにプロ五人が相手だったら無傷とはいかない。
 それ以前に、今の香音では五人のプロを相手に戦うことなど不可能だ。
 京一は縛られて動けない五人の大男の前に立つ。
 痛みで呻(うめ)いていた大男たちは、仁王立ちする京一を見て、「ひいいいっ!」と悲鳴を上げた。
 怒りの炎を赤い瞳に宿す京一からは、大きな殺気が放たれている。
 気の弱い人間だったら、その殺気に触れただけでショック死してしまうかもしれない。
「貴様ら……俺の可愛い娘に何をしようとしたあああっ!」
 怒りの叫び。
 その後に聞こえる音は、本来なら人体から響いてはいけないような音。
 そして、その音に混ざるのは、大男たちの悲痛な声。
「パパっ! ストップ、ストップ! どうどう、どうどう!」
 男たちを殴り、蹴り、あるいは関節を極めて砕く養父を背後から羽交い締めにする香音。
 必死になって京一を止めて宥(なだ)める。
「何が目的でボクを狙ったのか聞き出さないと。殺したら聞けないって。落ち着いてよパパ」
 養女の必死の呼び掛けに、怒れる父はようやく冷静さを取り戻す。
「そ、それもそうだな……」
 攻撃の手を止める京一。
 香音は大男たちを見て「うわあ……」と声を漏らす。
 養父を止めるのがあと二秒、いや一秒遅かったら男たちは確実に死んでいたことだろう。
(パパって怒ると怖いなあ……怒らせないようにしよう……)
 普段クールな人間は、感情が昂(たかぶ)ると豹変するということを香音は学んだ。
「誰かに頼まれたのなら、その誰かを突き止めないとな……」
「パパ、お願いだから平和的にね。それから、その人たちが持っていたんだけど……」
 と、香音は床を指差す。
 そこには男たちが持っていた、USPコンパクトが置かれている。それを見た京一は驚く。
「ねえ、この間、捕まえた賞金首も同じのを持っていたよね? パパが使っているやつの、ちっちゃい版」
「ああ。素人が使うような物じゃない。香音、ちょっと向こうを向いていろ。こっちを見るな」
「うん、パパ」
 京一が何をするのか、香音は分かった。
 香音には見せられない、あるいは見せたくないこと。
 京一が香音に見せたくない……そう思っているのなら、香音はそれに従うまで。
 養女が背を向けると、京一は革ジャケットのポケットからナイフを取り出す。

 

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