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GunDaddy&GunDaughter~ガンダディ&ガンドーター~第6話

   

 香音の脅しに成功した……そう思っていた麗子だが……。

 

 その日、麗子は朝から機嫌がよかった。
 父親お抱えの荒事師たちは、今まで失敗をしたことがないと聞く。
 香音とその父親の脅しも成功していることだろう。
 香音は学園からいなくなる……これで自分の陸上部での立場は安泰(あんたい)になり、香音に向いていた人気も戻ってくる。そう思っていた。
 彼女を乗せた車は赤信号で停まる。交通量が少なく、歩行者の数も少ない道。
 このような場所に信号など不要だろうと、麗子はいつも思っていた。
 しかし、この場所は京一にとって丁度いいスポットになってくれた。
 付け髭とダテ眼鏡で変装した彼は、周囲に他の車と人がいないのを確認。
 そして麗子を後部座席に乗せている黒い高級車に近寄る。
 運転席の窓をノックし、そして運転手に手帳を見せた。それは、斗紀桜府警の手帳。
 六十近い運転手は、警察が何の用かと怪訝に思いながらウィンドーを下げた。
「何か?」
「ええ、ちょっとね……」
 偽物の警察手帳をしまい、代わりに取り出したナイフを運転手に突き付ける。
 拳銃は偽物と思われてしまうかもしれないが、ナイフなどの刃物なら確実だ。
 唐突に鋭いナイフを突き付けられた運転手は、「ひっ!」と悲鳴を上げる。
 後部座席の麗子も、凶器を持った男の出現に驚く。
「運転手さん、あんたに危害を加える気はない。助手席に移動してくれ」
 シートベルトを外し、運転手は言われたとおりに助手席にわたわたと移動する。
 京一はドアのロックを外し、運転席に乗り込む。
「な、何よ、あなた? 私を誰だと思っているの! 私が乗る車にこんなことして……ただで済むと思っているの!?」
 怯えながらも気丈に振る舞う麗子に、京一は小さく笑う。
「気が強いのは、悪いことじゃない。けど、気を付けろ。相手によっては、問答無用で殴られたり、銃で撃たれたりするかもしれないぞ」
 信号が青に変わり、京一は車を走らせる。
「君がどこの誰なのかは、知っている。鷹司グループの社長令嬢、鷹司麗子さんだろう」
「そ、そうよ。何? 営利誘拐?」
「いや違う。人を誘拐して、身代金を請求するほど金に困ってはいない。別の目的がある」
 京一はETCが備え付けられているのを確認し、車を高速道路に向かわせた。
「すまないが、学校には遅刻してもらう。あっと、自己紹介がまだだったな。俺は神京一、神香音の父親だ。よろしく、鷹司麗子さん」
 それを聞いて、麗子はまた驚く。
 男たちに脅され、斗紀桜府から出ていく準備を進めているはずの男がすぐ近くにいるのだから。
「そ、そんな……」
「あの男たちは、娘が倒したよ。俺がじゃない、香音が五人全員のした」

 

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