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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

秘密-すれ違う二つの心-(31)

   

智美と亮介のメールのやりとりから、創は亮介が自分の身近にいる意外な人物だと言うことを知った。

今回のお話しは『智美』の視点で進んでゆきます。
創が亮介の正体に気づいた裏側で、智美と亮介の間に何があったのか? 

話は亮介が智美に三回目のデートを申し込んだところまで遡ります。

 

秘密(31)

 亮介さんから送られてきた3回目のデートの誘い。メールを読んだ途端、勝手に頬が緩む。彼からのメールを心待ちにしている自分がいた。

『亮介さん、こんにちわ。私も早く会いたいです。私の方はいつでも都合がつくので、亮介さんのスケジュールに合わせます。今度はどこで会えるのか、とても楽しみにしています』

 彼からの返事はすぐには来なかった。

 どうしたのだろう?

 彼からの誘いが嬉しくて、すぐに返事をしたことがいけなかったのだろうか? 軽い女だと見られてしまったのだろうか?

 もしかして嫌われた?
 
 主人がいるにも関わらず、彼からのメールを心待ちにしていることにマイナスなイメージを持たれたのだろうか?

 こない返事に不安が募る。片思いをしていた学生の頃の、あの時のような切ない思いが胸を焦がす。だがそんな思いも、翌日に来た彼からの返事によって一瞬にして消え去っていた。

『○月×日の午後一時に待ち合わせをしましょう。場所はこの間と同じく、駅前の『ノエル』で。仕事で少し遅れるかもしれませんが、カフェの中で待っていてください』

 当日……

 亮介さんはいつもと変わらず優しい笑顔で私の前に現れた。

「マキさん、ごめんなさい。遅れてしまって。それになかなかメールの返事をすることができずに……」

「いえ。気にしないでください。亮介さんは暇な私とは違って、お仕事が大変でしょうから」

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


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