幻創文芸文庫 (β)

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SF・ファンタジー・ホラー

我が主君!!【2】

   

※作品中にガールズラブ的展開があります※

みちると藍子が買い物に出かけた、その帰り道、二人の前に怪しい者たちが現れた。
驚くみちるだが、藍子は落ち着いて対峙する。
「ついに出たわね、怨霊ども。みちるは渡さないわ。あたしが相手よ」

 

 九時半に藍子がみちるを迎えにきて、連れだって向かった先は、新幹線も止まるターミナル駅の周囲にあるいくつかのファッションビルだった。

 まず最初に足を踏み入れた、駅の目の前のビルは、サマーバーゲンのポスターやフライヤーなどがところ狭しと貼られ、予想どおりの混雑ぶりだった。
 けれど、買い物に情熱を燃やす女子二人にとっては、この程度の混雑などどうということもない。
 あるショップで、藍子がピンクとグレーのボーダーのパーカTシャツを手に取っているのを見て、みちるは不思議そうに寄っていった。
「それ、藍子が着るの?」
「変?」
「ううん。似合うと思うけど、いつもの藍子の趣味とちょっと違うから……」
「なんてね。じつは、香(コウ)ちゃんに、かわいいTシャツかカットソーでもあったら買ってきてって言われてるのよ。これ、香ちゃんに似合いそうじゃない?」
「うん、香子ちゃんになら納得! すっごくかわいく着こなしそう!」
「でしょ? でも、この商品、ワンサイズみたいなのよねー……大丈夫かなぁ」
「香子ちゃんは細いから平気じゃない?」
「体は細いんだけど、なにせ胸があるから、あたしと同じもの着ると胸だけピッチピチだったりするのよ。そういうの、本人がいやがるから」
「ああ、それもそうかもね……」
 そう言って、藍子の前の棚を見まわしたみちるの目に、同じシリーズの、フロントジップの商品が映った。前のお客が広げたままの別のTシャツの下になっていて目立たなかったために、藍子は気づかなかったのだろう。
「ねえ、藍子。こっちはどう?」
「え?」
 みちるの示した商品に、藍子は「あ、いい!」と声をあげた。
「これなら、前を開けて着るとか、下のほうだけ閉めて着るとかすれば、胸もとがそんなに気にならないわね」
「中に着るキャミの色でも雰囲気変わりそうだから、着回しもききそうじゃない?」
「ホント。香ちゃんへのおみやげは、一つはこれにしよっと。ありがとね、みちる」
「その代わりというわけじゃないけど、わたしの服は、きょうも藍子が選んでね?」
「いいわよ」
「膝丈のスカートがほしいな。あと、レギンスのちょっとおしゃれなの」
「いいわね。みちるにはパンツよりスカートが似合うものね」
「藍子はカプリパンツとかも似合うよね。藍子のパンツ姿って、わたし、好きだな」
「じゃあ、今度二人で映画にいく日はパンツにするわ」
「うん! あ、映画の日は、帰りにお好み焼き食べようよ」
「いいわね」

 

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