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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

秘密-すれ違う二つの心-最終話

   

マユのかばんに取り付けらた小型カメラ。
そのカメラから送られてくる予期せぬ映像。

俺は不測の出来事をも、奴を追い詰める為の手段に利用した。

秘密-すれ違う二つの心-  最終話です。

 

秘密 最終話

 小型カメラは音声までは拾わない。だが二人が何かについて口論をしているのはその様子を見ただけで分かった。
 
 マユの後を付けてきたら、創の家へとたどり着いた。彼女の鞄には未だ小型カメラを忍ばせた小さなヌイグルミがつけられている。二人の様子を探る為にカメラの情報を車の中でキャッチしていたら、思わぬ光景が飛び込んできたのだ。

 激しく言い合いをする二人。マユは部屋から出ていこうとするが、創がそれを止める。何かを言い合った後、創はマユの頬を強く叩いた。
 叩かれた方の顔を手で押さえながら、もの凄い形相で創を睨むマユ。次の瞬間だった。創がマユの首を絞めあげていた。小柄なマユの体が宙に浮かぶかのように、下から上に向けて首を絞めあげる創。しばらく経ったあと、創の手を首から引き離そうとしていたマユの手がダラリと力無く落ちた。

 俺はこのチャンスを見逃さなかった。すぐさま携帯電話を使い、創の家に電話を掛けた。通話口にはタオルを重ねた。数回呼び出し音が鳴ったあっと留守電に切り替わる。俺はメッセージを残すべく、声色を変え話し始めた。

「また人を殺してしまったね……次は誰を殺すつもりだい?」

 留守電のメッセージはリビングにいる創の耳に直接届いているはずだ。それを証明するように、モニターに映る創の様子は、どこか慌てているようだった。

 俺はさらに創を追い込もうと、近くにある公衆電話から119番に通報をした。事故を起こしてしまったと伝えた。しばらくすると救急車とパトカーがけたたましいサイレンを鳴らしながら近づいてきた。サイレンが聞こえたときの創の慌てっぷりは滑稽すぎて笑いがこみ上げた。

 通報がいたずらだと分かった警察や局員が引き上げてゆく。ほっとする様子の創の元へ、俺は再び電話を掛けた。

『捕まると思ったかい? でもお前を警察に渡すわけにはいかないよ。お前が捕まると復讐ができなくなるからね。今のはお前を脅かすためのちょっとしたお遊びさこれから先、どんなことが起こるのか楽しみにしていろよ』

 

-ミステリー・サスペンス・ハードボイルド


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