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ラブストーリー

かわらぬおもい、かわるこころ

   

男性と初めて出会ったのは春。
それからちょくちょく会い続けて、今は夏。
ちょっとした興味が変化していくが……。

季節はずれ、夏を舞台にした片恋に発展する話です。

 

 いつまでも相も変らぬ風景だろうと、私はここが大好きなんだよ。
 一昨年亡くなった祖母が手を合わせ懐かしげに寺を眺めながら呟いた姿は、今でも胸に焼き付いている。きっと、その言葉が影響して私はここを研究テーマとして選んだのかもしれない。寺の本堂を写真に収めながら、頬の筋肉を緩めた。

「また撮影しに来たの。大変だね、大学四年生は」

 飄々とした声に振り返ると藍染の和服姿の男性が覗き込むようにデジカメに写した本堂を見ていた。普通なら気配を感じ取れずに悲鳴を上げて驚いてしまうのかもしれないが、慣れてしまったためため息しか出てこない。

「調査しないと研究が進みませんので。それに私、ここ好きですから」

「僕も好きだよ。じゃあ、デジカメ見せて」

 そう言って手を出してきた。つい首を傾げてしまったけど、素直に手渡す。

「日に日に写真の撮り方が上達しているけど、惜しいな。七十一点」

 私の撮った写真を確認しつつ評価し、点数を付けられる。今日はまあまあみたい。

 

-ラブストーリー


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