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ラブストーリー

LOTUS 〜Next to Narita 3〜 <前>

   

「じゃあ、るねるねったら、バレンタインデーに退院なわけね」
「そうね。成田くんには、これが一番のプレゼントかも」
「た・し・か・にv」


本作はドリーム仕様、あなたは高等部1年2組の女子生徒です。
お好みの「名字」および「名前」を入れてお楽しみ下さいませ。

LOTUS』 ―光輝×瑠音―
≪光輝*高等部1年生*2月≫

Illustration:Dite

 

 最近、メールできなくてごめんね。
 あのね、事故ってちょっと入院してたんだ。
 あっ、心配しないでね、明日のお昼には退院できるから。
 ケータイも事故のときに壊れちゃったんだけど、新しいのを買ってもらったんだ。お姉さんのメールとアドレス、新しいのにちゃんと移したからね!

 ケガはゼンゼン大したことないから、月曜から学校に行くよ。
 じゃあ、明日退院したら、またメールするね!  *RUNE*

 中等部1年5組の青柳瑠音くん。
 うちの学園の一番人気の男の子で、愛称は「るねるね」。
 とある恋愛コミュニティ・サイトを通してるねるねの「ヒミツのお姉さん」になってから、なんだかんだで、もうすぐ1年になろうとしていた。
 そのあいだ、るねるねには本当にいろんなことがあった。学園祭の合同演劇で大好きな従兄の成田くんと共演したり、小さい頃からの想いが実って成田くんと両想いになったり、歩道橋の階段から転落して、5日間も意識不明に陥ったり。
(一時はどうなることかと思ったけど……これで元通りね。本当に良かった)
 隣の席に座る成田くんから、るねるねが、予定通り明日の午後に退院するという話は聞いていた。わたしは直接のお見舞いにはいかなかったけれど、るねるねの病室は毎日大盛況だったらしい。その余波で、わたしまで「お見舞いのおすそわけ」をもらってしまったくらいなのだ。お菓子好きなるねるねのところには、どうやら山のようにお菓子が届けられたらしく、わたしがもらったのも、有名な洋菓子店のマドレーヌだった。
「未佳ちゃーん!」
「あ、若葉ちゃん」
 高等部校舎・2号館の東階段。
 2階と3階を繋ぐ階段の踊り場で、聞き覚えのある声に気付いてななめ上を見上げる。すると、中等部時代の仲良しクラスメイトで、今回のスキー授業でも一緒の班になった1組の若葉ちゃんが、帰り支度を整えて降りて来るところだった。
「ねね、さっき聞いたんだけど。るねるねが明日退院するって話、ほんと?」
「うん、本当だと思う」
 規律委員会・校内安全課メンバーの必携アイテムであるインカムを外しながら、わたしは階段を降り切ってちょうど隣に並んだ若葉ちゃんに、こくりとうなずいてみせた。
「お昼休みに、成田くんがそう言っていたから。ついでに病室の写真をちらっと見せてもらったんだけど、るねるね、すっかり元気になったみたいよ。頭を強く打つと、意識が戻ったあとも頭痛や吐き気に悩まされることがあるらしいんだけど、るねるねはこの1週間、そういう症状もほとんどなかったんだって。週明けの月曜日からは、普通に登校できるみたい」
「ほんと?! 良かったぁ」
 若葉ちゃんが、ちょっぴりオーバーアクション気味に胸を撫でおろす。でも、その気持ちはわたしも同じだった。
「じゃあ、るねるねったら、バレンタインデーに退院なわけね」
「そうね。成田くんには、これが一番のプレゼントかも」
「た・し・か・にv」
 若葉ちゃんと、目を見合わせて笑い合う。
 るねるねと成田くんの話題で、またこうしてファン同士が盛り上がれるようになったのが、ただただ嬉しかった。
「でもホント、るねるねのことは成田くんの『おとなり』にいる未佳ちゃんに聞けば間違いないわね! 未佳ちゃんってば、るねるねの情報収集にも最適かも」
「情報提供は構わないけど、成田くんはああいう性格なんだから、隣の席だからって過剰な期待はしないでね? 変にうるさくして、わたし、成田くんに嫌われたくないもの」
「はいはい、よーくわかってますって」

 

-ラブストーリー

LOTUS 〜Next to Narita 3〜<全2話> 第1話第2話

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