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SF・ファンタジー・ホラー

マスクエリア 第五覆面特区 最終章 流星の輝き(2)

   

清水たちが、バトルシティからの脱出を果たしたその頃、アランは怒り、焦っていた。アランたちの一派が大損害を被る作戦が、アランの意思を無視して行われていたからである。アランは、普段見せない真剣さで、中止を進言するが、作戦は続行されていく。そして、怒るアランに、更に衝撃的な知らせが入ってきたのだった……

 

「くそっ、ふざけた真似をしやがって! 各チーム、被害状況を知らせろ!」
 清水たちが、バトルシティからの脱出を果たしていたその頃、金髪の男、アラン・マクベスが声を荒げていた。端正な顔立ちは怒りに歪み、普段の、人を見下すような態度は影を潜めている。
 アランは机に拳を叩きつけ、室内に同席した男たちを睨んだ。
「静まれ、アラン。お主らしくもない。迫撃砲と小銃で軽く反撃されただけではないか」
「か、閣下……!」
 アランが、驚きと怒りの感情を口に出した。しかし、「閣下」と呼ばれた逞しい老人は、眉一つ動かさない。
「……報告します、アラン様」
 アランが「閣下」に、更に反論しかけたその時、室内のモニターが映像を受信した。映っているのは、遠野 新月である。静かな口調の中に、怒りが宿っている。
「砲撃で、ケビン様と、ディカード・ゾロン様が戦死、他にも銃撃等々で、五名が重傷を負いました。負傷者の戦線復帰は絶望です。私と佳代さまは無傷です。……いくら一門衆と家臣衆でも、不意の砲撃を避け切るのは不可能である事ぐらい、お分かりのはず。何故、これほど多くの軍事組織が入り込んでいるのですか。人選ミスでは……」
「新月君、今日はやけに良く喋るな。失敗を弁舌で補うつもりなのか。ふん、もういい、下がれ。貴様はこの決戦には不適格だ。対特区の試合に回れ」
 アランは、新月の言葉を切り、悪態をついた。恐らく、普段通りの態度ではなかったはずだ。
 映像が切れたのを確認して、アランは再び声を荒げる。

 

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