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マスクエリア 第五覆面特区 最終章 流星の輝き(3)

   

バトルシティを脱出し、清水たちは、緑化サハラに到着した。他とはまるで違う緑化サハラの「自然」に直面した清水たちの前に、ゲナフと名乗る男が現れる。担当教官だと言うゲナフの、あまりのお気楽な態度に清水たちは不満を抱く。しかし、そんな些細な感情など吹き飛んでしまう出来事に直面することになるのだった……

 

 上空二千メートルから見る緑化サハラは、まるで、緑色をした海のようだった。つい最近まで砂漠地帯だったことが信じられないほど、丈の高い木々が生い茂り、地表を覆い隠している。
 空の上からでは、どれほどの人が住んでいるのか、推測することすらできない。
「なるほど、天然の要塞だな。マクベスが攻めあぐねるわけだ」
 景色を見ていた高倉がぽつりと呟く。機内で巨体を窮屈そうに縮めながらも、全身に緊張感を漂わせている。
「まあ、僅かな損失でも嫌だとなれば、散発的な抵抗も、要塞に対するように恐れなくちゃならないでしょうから」
 香西は、高倉とは対照的に、音楽を聞きながら、のんびり茶を飲んでいる。
 バトルシティが占拠され、不利な条件で、決戦を余儀なくされたことなど、大したことではないというようなマイペース振りだ。
 清水は、香西の態度に頼もしさを感じていた。少々のことですぐに動揺する割に、大一番ではきっちり腹を据えてくるのが、香西の持ち味だった。
「ふうむ……」
 仲間の会話に、適当に相槌を打ちつつ、榊原はキーボードを叩く事に没頭している。
 一体何をしているのか、清水には見当もつかない。
 むしろ、ほとんど口を開かず、薄刃のナイフを大量にカバンから取り出し、研ぎ続けている黒田の方が気になる。
 清水は恐る恐る声をかけた。

 

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