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マスクエリア 第五覆面特区 最終章 流星の輝き(4)

   

ゲナフに無理やり戦場に連れて行かれた清水は、激しく狼狽する。それは、必然的な行動ではあったが、混乱すると同時に清水は、「戦場」そのものの違和感を敏感に察知していた。
 一方、コーチであるゲナフは、清水の「違和感への指摘」に対し、徐々に驚きを隠せなくなっていくのだった……

アラン部隊精鋭の「機甲兵士」と遭遇した清水が取った行動とは?

 

「いや、無理だろ。こんなの、絶対に無理だろ!」
「そう混乱するなよ。まあ、確かに戦場の空気ってやつは独特だからね」
 ゲナフがドライブ感覚で車を運転している一方で、清水は狼狽していた。
 たった一両で戦闘地域に突入するというのに、乗っているのは古ぼけたジープ、しかも車体は鉄板ではなく木の板で構成されている。安普請にもほどがある車両である。
 これでは、ライフルの弾どころか矢さえも弾くことはできないだろう。
 だが、清水の体は、五点固定式のシートベルトによってがっちりと拘束され、まるで身動きが取れない。
「くっ、離せっ! 何故俺がこんなところで死ななくてはならない! 説明しろっ」
「そう慌てるなって。連中の親玉はアランなんだ。近いうちに戦わなくちゃならないってんなら、手下と前哨戦をやるのも悪くないだろう」
「だからって、何で銃を持っている兵隊と戦わなくちゃならん!?」
 まるで真剣味の感じられないゲナフに、清水は絶叫しつつ抗議した。銃声はいよいよ大きくなり、人の悲鳴と猛獣の唸り声が、加速度的に清水の不安と恐怖を煽っていく。
 と、その時、ジャングルを切り開いただけの車道に、三人ほどの男が転がり込んできた。
 服装はばらばらだが、皆手に銃を持っている。清水たちの車と鉢合わせになった男たちは、驚きの表情を浮かべつつ、銃の引き金を引いた。
「うわわっ!」

 

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