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ラブストーリー

どうか傍にいて

   

【桃色症候群】続編。
会話内にだけ、【嵐。】のふたりも登場します。

穏やかで、なんでもない日々。
いつもと違うのは、喉の痛み。
どうやら風邪をひいたみたい。

「南のお迎え、どうしよう……」

明日香や娘の南の為に頑張ってお仕事している旦那様。
馨に迷惑なんてかけられない。

そうでなくても、馨には、
主婦であるにもかかわらず、学生でもあるという我儘を許して貰っているのだから。

 

「……」

 午前中から、なんだかだるくて。
 午後の講義が休講になったことにほっとして、明日香は家に帰ってきた。
 途中で馨にメールを入れたけれど。
 馨はまだ、仕事中のはずなのに、大丈夫? などと返信メールが入っていて、ちょっとだけ笑ってしまった。
 それでも、馨からのメールに再び返信する気力はなかった。

「ふぅ……」

 最寄り駅から家まで10分。
 なんとなく視界がゆらゆらして。
 全身がだるかった。
 熱っぽく感じて。
 玄関の鍵を開けて、中に入り。
 まず始めにキッチンに向かって、水を飲んだ。

「……っ」

 冷蔵庫から取り出した、冷たいミネラルウォーター。
 グラスに移して、一気にあおる。
 ごくんと飲み込むときに、喉に痛みが走った。
 風邪でもひいたかもしれない。
 そう思うと少しだけ憂鬱になった。
 椅子に腰を下ろし、カウンターテーブルに突っ伏したまま、壁に掛けられた時計に目をやる。
 午後3時。
 南を保育園に迎えにいくまでには、まだ少し時間があることを確かめて。
 これからどうしようか考える。

(馨に……)

 南のお迎えをお願いしようか。
 駅員をしている明日香の旦那さま、馨の今日のシフトは早番で。

 

-ラブストーリー


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