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ノンジャンル

其は朧々にして。

   

再会には、タイミングが大事。

それはいつも幸福をもたらすとは限らない。

殺意を、

どちらが、大事か。

そんなの、決まっている。

**ご注意**

残酷な表現がございます。

海老根しをんの毒や暗黒部分のほんの一部です。
ぬるい目で見てやってくださいませ。

 

「……消えろ」

 鳶色の夜空。
 そこに浮かぶ青白い満月。
 眠れずに庭をさまよっていた。
 丑三つ刻とされる時刻。
 誰もいるはずのない離れ。
 何やら気配がして、締め切られた障子を開けた。
 そこには、ふたつの影が折り重なるようにしてあって。

「いつまでそうしているつもりだ、桂(かつら)」

 青白い月明りに照らされて、見えた声の主は、桂の兄、楡(にれ)の姿。
 その下に組み敷かれていたのは、住み込みの使用人の娘、佐和(さわ)だった。

「……っ」

 佐和は兄に組み敷かれ、桂に見られたことに青ざめて何かを言おうとしたようだけれど。口を手ぬぐいで塞がれていて、くぐもった声が漏れただけだった。

「……いつまでそうしているつもりだ」

 兄に消えろ、と言われても、桂はどうすることもできずに立ち尽くし、もう一度兄に急かされて、はっとして視線をずらした。

「――!!」

 その先には小さな白いものが転がっていて。
 それが女物の下着であると認識して青ざめた。

 

-ノンジャンル


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