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SF・ファンタジー・ホラー

マスクエリア 第五覆面特区 最終章 流星の輝き(5)

   

決戦を間近に控え、新月は、バトルシティで敵対勢力との戦いを続けていた。ハードな戦いを続けていくうちに、新月の内面は、護衛ではなく闘争者のものに変化していった。好ましい変化ではなかったが、それを止める術はなく、新月は圧倒的な力を発揮し続ける。

そんなある日、アランが衝撃的な知らせを持ってきたのだった……

 

 人の息遣い、空気の流れまで、濃密に感じることができる。
 鼓膜を揺さぶり、地に響いている銃声も轟音も、はるか遠くで起きていることのようにしか聞こえない。
(右ストレートから左のフックの返し、分かりやすい連携の終わりに、カウンターを差し込むか)
 遠野新月は、目前を猛スピードで飛んでくるパンチをかわすと同時に、完璧な「解答」を導き出していた。
 向かい合っている巨漢の拳にはめられているのは、ボクシンググローブではなく、鋼鉄で固められている手甲だった。
 しかし、新月は、恐れはおろか迷いすら抱いていない。攻撃が完全に「分かる」からだ。
 ごっ。
 軽く鋭い打撃音とともに、新月のトンファーが、男の横面を張り飛ばしていた。僅かに急所を外してはいるが、それでも、遠心力のついた金属の棒で殴られている以上、気絶は免れない。
 声を上げることもなく、うつ伏せに倒れ込んだ敵を軽く見やってから、新月は口を開いた。
「次」

 

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