幻創文芸文庫 (β)

小説好きの創作小説を無料配信*スマホ対応

ラブストーリー

Black Blood Christmas #5【無垢に戻って】

   

田沢政幸、まさかの結末に須藤は笑いが止まらない

その結末に弓子の運命も変わっていく

夫婦揃って落ちていく様はこの上なく上々で…

だが予定外の人物の出現と申し出で弓子の運命がまた変わる

束縛から解放される、ぬか喜びする弓子

これで復讐の連鎖が終わりを見せようとしていた

 

「記憶が後退って、どういうことですか、医師(せんせい)!」

 いかにも水商売という女性が、夜の病院診察室で声を荒げた。

 これからが水商売の稼ぎ時間という頃、『シャングリラ』に一本の電話が入る。

「ちょっと花水木ちゃん。あんたの旦那が交通事故にあったって……一門病院よ、行っていいから。今日はこのまま上がっていいから」

 ママの言葉に素直に甘え、弓子はタクシーに乗り込んだ。

 彼女が病院についた時、既に手術も終わり病室に移った後、そこで待っていたのは、須藤だった。

「説明してよ、須藤くん! 主人と一緒だったのよね?」

 弓子が須藤の胸ぐらを掴みかかる勢いで迫ってくる。

 こういう情熱的な面も持っていたのかと、新たな発見を楽しむ余裕が須藤にはあった。

 上々の出来じゃないか――田沢政幸。

 内心、自分から飛び込んでいってくれて感謝したいくらいだった。

 予定では、もうひと騒動起こしてやるつもりだったのだ。

 それが、スタジオを出てすぐに突っ込んで来た車に跳ねられる。

 運転手の居眠り運転、本当に運がいい事故。

「主人に仕返し――本当に諦めていなかったのね」

「仕返し? 言いがかりはよしてくれ、弓子。跳ねられたのは事故」

「そうね、事故だとしても、身体の痣はどう説明するの? あれ、愛撫の跡よね? 主人をまさか――」

「僕はノンケ。彼はビジネスとして身体を提供した。証拠はこれ、この書類のサインと捺印は旦那のでしょう?」

 荒れる弓子の前に、撮影前に書かせた書類を見せた。

 1日で金百万、それに承諾をして仕事を請け負うこと。

 仕事の内容はモデルとなっているが、ただやっているだけの撮影なのだからモデルで間違いはない。

「売るの?」

「当然」

「酷い」

「どこが? 男が男に犯される。蚊に刺されたようなものだろう? 仮に、女が女に犯されたとして、どう感じる?」

「わからないわよ、そんなこと。経験ないもの」

「いいや、違うね。弓子ってさ、旦那が始めての男だろ? 妙なところ気位高かったもんな、学生時代。自分の理想以外の男なんて、男じゃないわって雰囲気あった」

「そんなつもりはなかったわ」

「でも、していた。そういう女を落とすのも男の醍醐味っていうのもあってさ、結構私ってモテるのね――なんて思っていなかった? モテていたんじゃない。ただ対象にされていただけだ」

 

-ラブストーリー


コメントを残す

おすすめ作品