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ラブストーリー

Black Blood Christmas #11【田沢政幸 帰還】

   

弓子の前に現れた男性

そこにいるはずのない男性の存在に弓子は気持ちが抑えられない

求め求められ、そうなるのが本当に進む道なのかもしれない

弓子は今度こそ幸せを掴める、穏やかな時間が過ぎていたのだが、実は…

 

 その年のクリスマス、弓子はひとり郊外からも都心のネオンが見える丘に来ていた。

 あのネオンの中を歩く優越感、それが楽しみだった頃もあった。

 40になって初めてやっと地に足がついて、しっかりと人生という道を歩んでいるように思えた。

 恋をして愛に変わって、愛されたくて物分りのいい女を演じて、妊娠して結婚して。

 だけど、自分の幸せだけが先走りして、自分より弱い人たちを見捨ててきてしまった。

 急に愛が冷める、時には憎しみ変わる。

 だけど、それでも、人が恋しいと思うのは、自分はひとりでは結局何も出来ない人間なんだと、今ならそう思える。

「魔法は夜中の0時に解けるんだよ、弓子。王子様はいない。現実をみようよ、弓子」

 自分に言い聞かせ、時計の針を見た。

 もうすぐ0時、現実逃避の時間は終わるのだ。

 

-ラブストーリー


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