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SF・ファンタジー・ホラー

マスクエリア 第五覆面特区 最終章 流星の輝き(6)

   

ついに迎えた決戦当日。緑化サハラは、熱狂的な興奮とともに、清水たち選手団を送り出した。

緑化サハラの人間と猛獣が勝利を確信するほどに「仕上がった」高倉と香西の実力は、清水にも、安心感を抱かせるものだった。

試合会場に向かうヘリには、カジモトが搭乗していた。カジモトは、ある重大な事柄を清水に語る……

 

 清水たちが身を寄せている、緑化サハラは、熱気でみなぎっていた。
 人間も、猛獣も、血を熱くたぎらせ、来るべきその時を待っている。
「我ら、緑化サハラ防衛隊!」
「おう!」
「栄光ある我が隊の外敵、それは何者かっ!?」
 リーダーの声に、樹木の「意思」で作られた「街道」を埋め尽くした男たちが、一斉に声を上げた。
「マクベス! マクベス! アラン・マクベス!」
 リーダーは、怒号が収まるのを待って、更に口を開いた。
「そう、臆病者のアラン。様々な策謀を駆使し、数えきれぬほどの我らが同胞を、同胞を、抹消してきた、あの卑怯者が、ついに、表に出る! そして、我らの仲間が、決戦に赴くのだ。そして、全てが終わる。マクベスは倒れ、我らは勝利するのだ!」
 歓声が、どう、と、巻き起こり、地面と、大気と、清水の頬を震わせる。呼吸をするものはばかられるような、濃密で熱い空気が、周囲に満ちていた。
「さあ、行くが良い! 同胞たちよ、我が隊の誇りよ! マクベス、あの忌まわしき圧制者の血が、諸君の渇きを癒してくれるだろう!」
 清水、香西、高倉、笹田、そして、榊原が、黒田が、一歩ずつ、輸送ヘリの方に向かって足を進めていくごとに、歓声が強まっていく。詰めかけた群衆の中で、清水たちの勝利を疑っている者は一人もいない。

 

-SF・ファンタジー・ホラー


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