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マスクエリア 第五覆面特区 最終章 流星の輝き(7)

   

燃えるような会場の熱気の中、ついに決戦の幕が上がった。清水は、変則的なルールにも関わらず、勝利に自信を抱いていた。新月は、変則性の高いルール故に、「妹」であり主人でもある佳代が傷つかないことに安堵していた。

無数の思惑と利権が交錯する中、笹田が、第一試合のリングで奮闘する。

 

 会場は、燃えていた。
 何日も前から入口前で待機していた観客が、開場を機に、思い思いの席に陣取り、怒号と歓声を上げている。
 旗、横断幕、太鼓やラッパなどの「鳴り物」の音も盛大に響いている。
 鳴り物禁止の規定は無いが、仮にあったとしても、皆それを無視していたはずだ。
「さあ、見て行ってくれ。決戦に挑む特区の戦士たちのグッズを買って、一緒に応援しようじゃないか!」
「安いよ、安いよ! 実弾発射可能なハンドメイド銃だ。型は古いが、品質は保証する!」
 会場内では、様々なグッズが売られていた。
 高倉の団体が発売していた、清水や香西たちレスラー勢のグッズをはじめとして、マフィアの収入源であるカジモト一派の関連商品、どこで情報を仕入れてきたのか、サラのブロマイドなども発売されている。
 その傍らでは、武器が売られている。
 警備隊が不要装備を払い下げしている傍らで、マフィアが密造銃を販売しているのだ。
 無論、双方とも違法行為にあたるが、誰も止めようとはしない。 と言うよりも、特区側が頼み込んで、「密売ブース」を設置して貰ったのだ。
 勝敗をうやむやにはできないにせよ、武器を持った無数の観客という存在は、マクベスのあらゆる行動を抑止するのに、最大限の効力を発揮する。
 いかにアランが強かろうが、無数のライフルに狙われていては、不正をして、そのまま逃げ切ることはできないはずだ。
「どうだ、緊張しているか?」
 清水に、控室が同室になった高倉が声をかけてきた。
 ベッド一体型のホテル並みに豪華な控え室に、清水たちは前日から入っている。体調をベストに整えるための措置だ。

 

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