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ラブストーリー

ふり返れば、愛慾。2【甘えられる男】

   

女はいつだって心地よく甘えさせてくれる男に擦り寄ってしまうもの

甘く優しく、女を女性以上に扱ってくれる男に…

それが男の器量にも繋がるって思う

 

「正直なところ、どうなんだ、アヤカ」

「どうって?」

「仕事、上手くいっているのか?」

 キスの後、激しく互いを求め合って余韻を楽しんで。

 交代でシャワー浴びてひと息ついた頃、今まで優しい笑みを見せていた良高が真面目な顔で言ってくる。

 もともとモデル出身だけあって、整った顔をしている彼が真面目な顔になると、違う意味で迫力がある。

 まっすぐに向けてくる瞳。

 その瞳の視線から私は逃れられない。

 きっと、ここで見栄張っても彼には見透かされてしまう。

 諦めと覚悟のため息をひとつ。

「上手くいっているって、言えたらいいのだけれど」

「どれくらい、ヤバい?」

「来年の契約更新までに雑誌モデルの仕事取れなかったら、更新なしと言われたわ」

「それは……キツイな。アヤカは今年で……」

「32よ。29の時に一度転向も考えたんだけど……」

「役者か?」

「ええ。でも、今がこういう景気でしょう? 外見だけよくても所詮素人同然だから」

「断られるってことか。僕が女性ファッション誌の担当だったらな。アヤカをずっと使うんだが……つらい思い、させてしまったね」

「そんなこと、ないわ。良高が声かけてくれなかったら、こんな世界のこと知らずにただ歳取っていくだけだったと思うもの」

「――少し、時間をくれないか?」

 もう頼れるのはあたなだけだもの。

 そのあなたが待てというなら、私は待つわ。

 私達はこうして、お互いの連絡先を交換。

 次に会う約束もした。

 良高の傍は落ち着く。

 安心できる。

 大人の余裕が、私をそう感じさせてくれるのかもしれない。

 私も結構大人なんだけど。

 やはり16も歳が離れていると、幾つになっても私にとっては大人の男なんだわ、きっと。

 私を私らしく居させてくれる男(ひと)。

 

-ラブストーリー


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