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SF・ファンタジー・ホラー

マスクエリア 第五覆面特区 最終章 流星の輝き(14)

   

アランの「仕掛け」によって、黒田は倒れた。だが、その事によって試合は動き出した。難敵を撃破したことで油断を見せたアランに、高倉が、香西が、そして清水が襲いかかっていく。

リングに仕込まれた電流と地雷を衝撃を受けたアランは、ついに、第二ステージ終了の申告を行うのだった。

 

「く……黒田が、落ちたのか……!?」
 清水は、徐々に正常さを取り戻している視界と思考能力をフル回転させ、目の前の光景を見やった。
 予想通り、黒田が、アランの甲冑から発射された「何か」の直撃を受け、倒れているのが分かる。
 一方で、清水は自分の体がすっかり軽くなっていたことに気が付いた。
 強いショックを受けたせいで、体を動かせるようになったのだ。
(ようし……!)
 清水が立ちあがろうと決意した時には、高倉は既に駆け出していた。
 猛牛のような突進力で、束の間油断していたアランの腰に掴みかかる。
 巧みに足を後方にずらし、タックルを切ろうとしたアランを、パワーで圧倒し、ずるずるとロープ際に押し込んでいく。
「おおおおっ!」
 香西も、復活していた。
 すっくと立ち上がると、雄叫びを上げながらアランに向かって突進し、高倉の背中を押した。
 二対一の突進力の差は、もはや半端な技術ではどうすることもできない。
 高倉たちは、アランの体を一気に、有刺鉄線ロープに押し込んだ。
「ぐうう、ぐはあっ」
 アランの低い呻きが響く。
 甲冑を着込んでいるアランには、有刺鉄線は刺さらない。しかし、電流は通る。
 致死性ではないが、かなりきつい痺れが、アランの巨体を襲っているはずだ。
 ただ、それは、高倉たちも同様だった。
 三人の男の叫びが、場内に響き渡る。
 だが、高倉はアランの腰から手を離そうとはしない。自分の手に有刺鉄線が刺さるのにも構わず、アランの体を強く押し付けて、より強い電流を食らわせようとしている。
 清水は、その光景に、全身の血が高ぶってくるのを感じていた。

 

-SF・ファンタジー・ホラー


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