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SF・ファンタジー・ホラー

マスクエリア 第五覆面特区 最終章 流星の輝き(17)

   

正体を明らかにした「裏切り者」香西。その傲慢さに、アランは不信感を抱き、抑えることができない残虐性は、新月に、緑化サハラでの「事件」を思い出させる。

何食わぬ顔で清水たちの陣営に戻ってきた香西は、この試合でプロレスラーを引退することを宣言し、最終決戦の先陣を切っていくのだった。

 

「失礼致します。『影』が参りました」
 ふいに響いたノックの音と声に、アランはほっと息をついた。
 自分が招いたこととは言え、頭に血が上ったあげく、主君であるレオナルドの娘を罵るなど、本来絶対にあってはならないことなのだ。
 レオナルドが促すと、ドアが静かに開き、小柄な部類に入る男が、部屋に入ってきた。
「お前は……!」
 アランは、驚きを禁じ得なかった。
 部屋に入ってきたのは、先程まで敵として戦っていた香西だったからである。
 かつて、シゲキ・マクベスと呼ばれ、重要な作戦にも参加したが、組織を離れ、特区のレスラーとして活躍していたはずだ。
 対峙した際には、色々あって対立することになったのだなと、ぼんやりと考えていたのだが、まさかこうして、再び、レオナルドの前に並び立つことになるとは。
 だが、レオナルドは、驚くアランとは対照的に、ごく自然に、香西に向かって語りかける。
「おお、香西。いや、シゲキ。リング上での戦いぶり、見せて貰ったぞ。元気そうではないか。さて、調査の結果は? 高倉の戦力のほどはどうだった」
 香西は、にこやかな笑顔を見せながら、レオナルドに応じる。

 

-SF・ファンタジー・ホラー


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