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ラブストーリー

王子は背中に花しょって *その壱*

   

長い前髪の間から見える、翡翠のようなグリーンアイ…。

そして、同じ色の石を使ったピアス…。

綺麗な鼻筋が気の強さを表すが、

下唇が少し厚くて、甘い雰囲気を醸し出す。

甘い雰囲気には似つかわしくない、首に横書きされたタトゥ…。

〈Misericordia〉?

その横にはもう少し背の高い、黒髪の男が立っている。

その髪の色は濡れたカラスの羽の様だ。

漆黒の髪と漆黒の瞳…。

抜けるように白い肌に、上がり気味の眉。

瞳を閉じると白い肌に黒い睫毛が映える。

凛とした雰囲気だ。

そして、同じ様に首にタトゥ。

〈Caritas〉?

何語かさえ分からない。

新連載です。
作品投票、メッセージ、掲示板への書き込みをお待ちしています。

ごゆっくり、お楽しみ下さい…。

 

目の前の男…。

私と同じ位の歳かな?

肩口まである薄茶の髪が風に吹かれている。

長い前髪の間から見える、翡翠のようなグリーンアイ…。

そして、同じ色の石を使ったピアス…。

綺麗な鼻筋が気の強さを表すが、

下唇が少し厚くて、甘い雰囲気を醸し出す。

女の子みたいに綺麗な顔だが、背が高い。

線の細い体、

佇まいが美しい。

甘い雰囲気には似つかわしくない、首に横書きされたタトゥ…。

〈Misericordia〉?

どういう意味だろう。

その横にはもう少し背の高い、黒髪の男が立っている。

その髪の色は濡れたカラスの羽の様だ。

漆黒の髪と漆黒の瞳…。

抜けるように白い肌に、上がり気味の眉。

瞳を閉じると白い肌に黒い睫毛が映える。

凛とした雰囲気だ。

そして、同じ様に首にタトゥ。

〈Caritas〉?

何語かさえ分からない。

『シバ…、そろそろ行こう。』

黒髪の彼がもう1人に話しかける。

『あぁ。ロキ』

グリーンアイが〈シバ〉、

黒髪が〈ロキ〉。

シバは薄手の黒いコートを、

ロキは同じ形の白いコートを着ている。

少し強めの風が吹き、

彼らが私を見る。

シバが笑った。

ドキッ…

心臓が急にピッチを早める。

何?

シバは流れるような動作で、私に近づいてきた。

『ずっと、見てたでしょ。
何か用?』

ハスキーボイスが耳をくすぐる。

近くで見るシバの瞳はカラーコンタクトではなく、本物の色だと分かる。

きめ細かな肌は赤ちゃんの様だ。

『モ、モデルになりませんか?』

私は今日からモデルのスカウトとして街に出ていた。

『シバ、行こう。』

離れた所から、ロキが呼びかける。

シバは振り向き、

『ちょっと待って。』

と答えた。

再び視線を私に戻したシバは、

『今、時間がないから。
名刺、持ってる?』

と手を差し出す。

しなやかな指だ。

私は美しい手の平に、カードを乗せる。

『〈Automatic!〉…。
聞いたこと無いね。』

優雅にカードを操る仕草に見とれてしまう。

『あ、まだ出来たばかりの会社だから…。

よかったら、連絡先を教えていただけないですか?』

シバはゆっくり頭を振る。

『僕が電話するよ。
これ、あなたの電話番号?』

『はい。 あの、名前だけでも。』

私は携帯のメモ機能を呼び出す。

『シバ、獅子の獅に、羽だよ。

あいつも?』

頷く私にクスッと笑い、

『ロキ、狼の牙。

じゃ、今日中に連絡する。』

そう言うと、獅羽はコートをひるがえし、狼牙の元へと歩き出す。

『あ。』

振り向く獅羽は天使のような顔で、

『名前、なんて読むの?』

と聞いてきた。

『アオネ、遠藤 蒼音です。』

『可愛い名前だね。 じゃぁね、蒼音。』

『お待ちしてます!』

私は頭をさげた。

 

-ラブストーリー


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