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SF・ファンタジー・ホラー

マスクエリア 第五覆面特区 最終章 流星の輝き(22)

   

高倉の後を継いでリングに入った清水だったが、アランの圧倒的な力の前に、たちまち追い込まれてしまう。奥の手の攻撃手段も、アランとの体力差を覆すには至らない。

だが、完全に追い詰められた清水の脳裏に、ある言葉を思い出し、一つの攻撃に全てを賭ける決意をする。

アランという、巨大な恒星のような実力者に対し、清水は「流星の輝き」を見せることができるのだろうか……?

 

 行くんだ。
 ここでレフェリーを押しのけて、「死角」を生じさせる。
 それから、全力の拳をヤツの顔面に叩き込めば、一撃で倒せる。勝てる。
「おおっ!」
 リングロープを掴み、清水は吼えた。
 しかし、体が上手く動いてはくれない。
 先程の激闘、そして、リング上で倒れている高倉の姿が、清水の身をすくませていた。
 行こうと強く思うほどに、全身に力みが入る。
 緊張のせいで、動きがぎこちなくなったところで、アランが、何の感情も見えない瞳でこちらを見た。
 逃げなければ、と、清水は直感する。
 しかし、その時には既に、清水はリングに躍り込んでいたのだ。
「くそっ!」
 半ばヤケになった状態で放った左のストレートは、あっさりとかわされ、次の瞬間、アランの右拳が真っすぐ飛んできた。
 慌てて身をかわそうとしたが、その前に、拳は顎を打ち抜いていた。
 奥歯が二、三本は吹き飛び、顎の骨が軋む。

 

-SF・ファンタジー・ホラー


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