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ショート・ショート

ブランコ

   

告白した相手の返事を一人で待つクリスマスの公園。

僕は、迷子の女の子と出会った。
「迷子じゃないよ。」

「ねえねえ、あたしがデートしてあげよっか?」
まさか、こんな小さな子にナンパされるなんて思っても無かった。

 

「やっぱ振られちゃったかー。」
 声に出して言うと、現実は重い岩のように圧し掛かってきた。
「ち…くしょう……。」
 使い慣れない言葉まで零れてしまう。

 昨日……、クリスマスイブと世間一般で言われている日。
 ずっと想いを寄せてきた女性に告白した。
「ぼっ……! 僕と、つ、つ……つきあって、くだ……ください!!」
「……。」
 相手は困ったように無言になる。
 こちらもつられて無言になる。

 少しの間が空いて、少し居辛くなってしまった僕は、
「もし、OKだったら……。」
 告白の返事をもらう場として、とある公園を指定した。
「午前10時に、来てください。」
「……。」
 黙ったままの相手。
「明日、待ってます。」
 彼女は少しだけ頷くと、そのまま、僕に背を向けて、走り去った。

 

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