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ラブストーリー

王子は背中に花しょって*その六*

   

〈彼〉は腕組みをし、壁に寄り掛かっている。

後ろに撫で付けられた優美な金色の髪、

数本の束になり、顔にかかる前髪の間から見える、翡翠のような深い緑の瞳…。

そして、同じ色の石を使ったピアス…。

気の強さを表す綺麗な鼻筋、

甘い雰囲気を醸し出す唇、

美しい女性の様な顔、

高い背丈と、

線の細い体、

美しい佇まい。

甘い雰囲気には似つかわしくない、首に横書きされたタトゥ…。

〈Misericordia〉

私は彼の存在を確認し、背徳的な気分に浸る。

花を背負う王子達と、運命に翻弄される蒼音の物語です。

皆様のお言葉、お待ちしていますm(_ _)m

それでは、ごゆるりと…。

 

私達は、大通りのオープンカフェに座っている。

『Automatic!の蒼音さんね。
そして…Civa&Roki!
私はあなた達の大ファンなのよ。』

よく動く青い瞳と燃えるような赤毛で、ルーシーがにっこり笑った。

『ありがとうございます。
そんな風に言っていただけると、私達も嬉しいです。』

私はルーシーに微笑む。

『で、早速だけど、仕事の話ね。
今回のコンセプトはね…。』

打合せの間中、ルーシーは、よく笑い、よくしゃべった。

そんな彼女の話を聞きながら、獅羽も狼牙もいつも通りの穏やかな表情だ。

彼女は雑誌「23」のファッションエディターだ。

「23」と言う雑誌は、しっかりとしたコンセプトのブランドの商品を、優れたヴィジュアルで見せるファッション誌。
そのフォトは、そのまま写真集にしたい位のハイクオリティーさを誇っている。

今回、獅羽と狼牙は最近人気急上昇中のブランドの服を着ることになっていた。

一通りの打合せが終わり、ルーシーが興味津々の顔で私を見る。

『二人ともイメージとは違うのね。
思っていたより、ずっと穏やかで、物静か…。
でも、写真で見ていた時より、ずっと素敵。
普段もそうなの?』

私はただ笑って頷いた。

だって、本来の彼らの姿を知ったら、彼女はきっと…。

『あ、忘れていたわ。
カメラマンはアジアの人よ。
Young and energeticカメラマン、Ok Chan-Seong』

Young and energetic?
オク・チャンソン?

意味が分かんない。

すると狼牙が穏やかな声で私に囁いた。

『Young and energeticは新進気鋭。
Ok Chan-Seongは韓国人の名前だよ。』

なるほど。

『で、彼との顔合わせも今日したいんだけど、時間は大丈夫?』

首を傾げるルーシーは少女のように可憐だった。

『はい。今日は一日大丈夫です。』

『チャンソン氏との顔合わせは、そんなに時間がかからないわ。
でも、一日O.Kなら、どっちか私とデートして欲しいわねぇ!
あははははっ!』

底抜けに明るいルーシー。

私はこのよく笑う女性に好感を持った。

『じゃ、移動しましょうか?
チャンソン氏はね、ちょっと取っつきにくい人だけど、Cool guyよ。』

私達はルーシーに連れられ、街の中心部へと移動した。

 

-ラブストーリー


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