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ラブストーリー

想いは空を翔る

   

毎年恒例の事を、今年はひと月前倒しでやることになった

雲ひとつない青空が広がった8月のとある日
私は若かりし頃の祖母の儚く切ない恋心を知る

時代は今のように『自由』がないに等しい、昭和のあの頃

 

 それは、私にとって特別なことではなく、毎年夏が終わり9月まだ残暑が残る頃が来るとしていることだった。

 忙しい母の代わりに、亡き祖母が使っていた部屋の掃除をすること。

 今年はひと月早く、その恒例の行事をする為に祖母の部屋に入る。

 ひと月早めたのには、少しばかりの事情があるからなのだけれど、それはいい事なので祖母も許してくれると思う。

 数日置きに掃除機をかけることはしていても、それ以外のことに手を入れることはなく、今年になって一度、珍しく親戚一同が集まることがあり、形見分けで減ってはいたものの、ずっと大事に使っていた着物と小物、そして思い出のアルバムを風通しのいい場所に広げはじめた。

 

-ラブストーリー


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