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ラブストーリー

Home made 恋レシピ 8

   

買い物につきあっていた杏樹。
光輝の買い物の仕方に疑問をもっていると、思わぬ答えが返ってきてなるほどと頷くことになる。
買い物を終えると、車に向かう途中、またしても光輝のからかいにあい、顔を真っ赤に染めた。
家へと戻ってくると、光輝が突然杏樹の口の中にある物を放り込んだ。
それは、とっても美味しいチョコだった…。

 

 光輝の車に乗り込み、連れてこられた場所はスーパーマーケット。
「もしかして、今夜のですか?」
「そ。材料買っておかないとダメじゃん」
 ニッと笑った光輝は、カートにカゴを二つ積んで、キョロキョロ見渡したかと思うと、まるでメモでも持っているかのように次々に食材をカゴに放り込んでいく。
 その後ろからついて行きながら、杏樹はそのカゴの中を覗き見た。
(適当に入れてるようにしか見えない……。でも、きっとちゃんとメニュー考えてるんだろうな……)
 一通りスーパーの中を歩いた光輝は、レジを通る前にカゴの中身をジーッと眺めだした。
「……他になんかあった方がいいか?」
 そう呟いて、顎に手を置いてう~んと唸っている。それを黙って見ていると、光輝がポンと手を叩いた。
「シソとか買っとくかな」
「え? 何に使うんですか?」
「何かに使えそうじゃん」
「は?」
 何かに使うために思い出したのかと思いきや、どうやらただの思いつきのようだ。まさかと思って、杏樹はカゴの中をもう一度覗く。
「あの……、まさか献立決まってないで買い物ですか?」
「んー? 献立なんか今頭の中にないぜ? 材料見て考えりゃいいじゃん。ほら、安いものを狙って買い物した時なんか、わざわざその献立通りに物が全部安いわけじゃねーだろ? だったら、安いもん全部買ってから、さて何を作ろうかの方が、無駄に高い買い物しなくていいだろ」
「はぁ……」
 確かに……、そう思い感心したように頷いた。そして、カゴに入っている食材を見て、杏樹はおもむろに今来た道順を逆走してみた。すると、確かに広告の品やセールなどのポップが掲げられた品ばかりを、カゴに入れていたようだ。
 だが、ふと疑問に思った杏樹は、光輝のもとに戻り首を傾げた。
「あの、まだ色々広告の品とかってあったみたいですけど……」
「あぁ、あれはただポップ貼ってるだけ。普段と値段かわんねーの」
「え? そんな物もあるんですか?」
 眉を寄せて聞いた杏樹に、光輝が口角上げる。
「あーやって貼っておけば、人間勘違いすんだろ?」
 ウィンク一つして、レジへとカゴを出した。
 今の話を聞いていたのか、苦笑しながらレジを打つ店員。それに気付いて、杏樹の方がすまなそうに肩を竦めて、先にレジを抜けた。
(そうなのかぁ……。確かに、アタシも向こうで買う時って、そういうの見て買ってたけど……。安かったって感じた時が少なかったような……)
 お金を払ってカゴを積んだ光輝が、鼻歌歌いながら杏樹の所に向かってきた。
「さて、箱に詰めろよ~」
 そう言って、荷物を詰める台の下からダンボール箱を取り出すと、光輝はカゴの中身を入れだした。杏樹もそれを手伝い二人で詰め終わると、光輝が箱を担ぎ上げてサッサと車に向かった。

 

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