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王子は背中に花しょって*その七*

   

華奢な長い手足、細い体…。

体に見合った、簡単に折れそうな首…。

その上には、恐ろしく綺麗な顔が微笑んでいた。

そして、その綺麗な顔に美しい緑の瞳。

母から聞いた事のある、悪魔の瞳…。

男を惑わす娼婦の眼…。

久しぶりの更新です(-_-;)

物語は私も予想のつかない展開に…。

皆様のお言葉が元気の源!ですが、このシリーズの感想を聞くのは、ちょっと怖い海憂です。

嗚呼、暖かいお言葉をお待ちしていますm(__)m

それでは、ごゆるりと…。

 

日本に帰った翌日、事務所に行くと、花梨が笑顔で迎えてくれる。

『ただいま、社長。』

『お疲れ、蒼音。
どうだった?』

私達はイギリスでの仕事の事を話した。

『で、あんたは?』

花梨が私をじっと見つめる。

私?

あぁ、変わったって事ね。

『実はね、獅羽と…付き合ってる。』

私達の不可思議な運命の事は言わなかった。

信じて貰えないだろうし、言うべきでは無いと思うから。

『やっぱり…。
だと、思ったのよねぇ。』

花梨は頷く。

『うん…。 ごめんなさい。
ダメだって分かってたんだけど、どうしようもなくて。』

『確かに、社長としては社内恋愛は頂けないわ。』

花梨の言葉に、私は項垂れる。

『でもね、蒼音。
私、あんたにとっては社長だけど、その前に親友なのよ。
だから、嬉しく思う。』

私は顔を上げ、花梨を見た。

花梨はその綺麗な瞳を潤ませ、ニッコリ笑っている。

『いいの…?』

『あったり前じゃない。
だって、私、そうなるって思ってたもの。
だから、イギリスに一緒に行きなさいって言ったの。
あんたが、変わるのが分かってた。
ほら、思った通り、あんたはいい女になってるじゃない。』

花梨は私をギュッと抱き締める。

『花梨…。』

私は嬉しくて、涙が出る。

私達はお互いに手を取り合い、

『良かったね、良かったね。』

とはしゃいだ。

『あ、大事な事忘れてた。
あのね、仕事、入ったの。
それも、有名な飲料会社のCM!
獅羽と狼牙を使いたいんだって。』

『本当っ!?』

ルーシーの言うとおり、二人に仕事が舞い込んだ。

『うん。ウィスキーのCM。
あのPVでバーテンみたいな役をしたじゃない?
あれ見て、お願いしたいって。』

『じゃ、二人に言わなきゃっ!』

私は浮かれていた。

遅れて来た獅羽と狼牙に話を伝え、喜んでいた。

二人もそんな私を見て微笑む。

でも…。

花梨が言ったその言葉は、獅羽と狼牙の表情を変える。

『映像の撮影は有名な監督さんで、そして、写真撮影はイギリスで一緒に仕事した、オク・チャンソンさんだって。
良かったね。』

オク・チャンソン…。

『それ、断れないの?』

獅羽が眉間に皺を寄せ、花梨に伝える。

『なぁに馬鹿な事言ってんの?
断れる訳ないでしょ。』

獅羽は黙り込む。

狼牙は微かに困った顔をして、獅羽を部屋の隅へと引っ張った。

私と花梨には聞こえない声で、二人が話をしている。

『どうしたの?』

花梨は獅羽の不機嫌を珍しく思っている。

『さぁ?』

私は肩をすくめる。

でも、理由は明白。

オク・チャンソンだ。

ただ、何故そこまで嫌うのか?

イギリスでの二人の会話が気になる。

確かに彼らは、チャンソンを知っているようで、そして、敬遠したがっていた。

ううん…。

私とチャンソンが知り合うのを嫌ってた。

…きっと、あのワルツの夢がヒントだ。

私達の運命に関係がある人なんだ。

だとしたら、チャンソンは誰かの生まれ変わり?

獅羽と狼牙が私達に近づいた。

『で、結論は?』

花梨が社長の表情で二人に尋ねる。

『受けます。』

簡潔に狼牙が答えた。

獅羽は不服そうな顔をしていたけど、頷いた。

どんな話をしたんだろう。

狼牙が獅羽を説得したのには間違いない。

『そう。じゃ、詳しい日程を。』

それから、私達はCMの話を始めた。

獅羽はずぅ~っと不機嫌な顔をしてたけど。

 

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